好きな人の話(青×桃) (ページ6)

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抱きしめられてる力がちょっと強くなったのに
緊張してるんか少しだけ震えてて
流星が真剣なんが伝わってきた

「そんなん、急に、言われても…困る」

青「そうよな、ごめん」

「りゅ、流星の事、そんな風に、考えたこと…ないし」

青「うん」

「それに…」

"好きな人おるねん、ごめん"
たったそれだけ言えばいいのに

喉元で堰き止められたみたいに
なぜかその続きが言えんくて

青「望、泣かんといてや」

何も言えずに黙ったままでおる俺の、
いつのまにか流れて止まらんくなった涙を
流星は親指で優しく拭ってくれた

青「泣かせてごめん、急に気持ち悪かったよな」

「ちがっ…青「…やっぱり帰るわ、服貸してくれたのにごめんな」

風邪引くからちゃんと髪乾かしてから寝るんやで
と躊躇いがちに俺の頭に伸ばした手は
触れることなく空中を彷徨ったまま、

力なく笑う流星はどこか切なそうで
ソファに落ちたスマホを掴み玄関へと向かった

バタンッと扉が閉まる音に
一気に力が抜けてソファに身を沈めた

「…ふっ、なん、なん、これ」

訳もわからんぐらい溢れ出る涙

何に対して流れてるんかも分からんのに

流星に触れられてた部分が
ずっと熱くて胸がぎゅってなる

はまちゃんにふざけて抱きついて
背中ぽんぽんってしてもらった時は
こんな感じじゃなかった

ただ心が温まる、じんわりぽかぽかする感じ

長年一緒にいて流星のことなら
なんでも分かるって思ってたのに
今日の流星は知らん人みたいで…

でも1つだけはっきり分かるのは
流星にあんな辛そうな顔を
させてしまったのは俺

もうとっくに酔いは覚めたはずなのに
じんじんと治らない頭痛

今日1日でいろいろありすぎて
とっくに俺の頭はキャパオーバーやった

.

逃げるように布団に潜り込んで
眠くない瞼を無理矢理閉じて、迎えた朝

明らかに足りない睡眠時間に
案の定、目の下に現れた黒い影

すっきりしない頭をなんとか起こしながら
マネージャーの迎えの車に乗り込んだ

今日この後、みんなでYouTubeの撮影あるのに

車の中でスケジュール確認しながら
メンバーとの撮影がある事にため息が溢れた

流星と会いたくないな

どんな顔したらええんやろ、
なんて声かけよう、ペアとかあったら…
とかキリのない考えばっかり