検索窓
今日:3 hit、昨日:9 hit、合計:157,483 hit

限界 ページ8

風磨side.


電話に出たAちゃんはいつも通りに振る舞おうとしてるけど、無理してるのはバレバレで。


風「Aちゃん、無理しないで。Aちゃんを追い詰めているものはなに? 俺に聞かせて。」


「っ…。言えない、です。」


風「誰にも言えないこと?」


「はい、言ったら、ダメ、なんです。」


風「…じゃあさ、その質問以外には、答えてくれる?」


俺は出来るだけAちゃんの心を温めたくて、優しい声で聞こうとする。


頷いたのを確認して俺は続けた。


風「Aちゃん、いつからご飯食べてないの?」


「い、や…。」


風「いつ?? 絶対怒らないから、言って??」


「…。1週間、くらい。」


風「そっか。食べたくないの? それとも食べられないの?」


「…。たべ、られませ、ん。」


風「なんで? は聞いちゃダメなんだよね。」


Aちゃん、泣いてる。


多分、震えてる。


俺はAちゃんをこんなに怖がらせて壊してる何かに尋常じゃない怒りが込み上げていた。


風「ねぇ、もしかして、俺と最近会って喋ってくれないのも、そのせいなの?」


「…。」


風「俺と喋ったらまた何かわかんないけど悪さされるの??」


これは、肯定、だ。Aちゃんの泣き方でわかる。


Aちゃん、誰にいじめられてるの…。


泣きすぎてむせてるAちゃんを、今すぐに抱きしめて守りたい。


風「Aちゃん。」


「…は、い。」


風「俺には言ったらいけないことなんだよね。だけど、俺、絶対にAちゃんの味方だから。Aちゃんにちょっとでも言ってしまいたい気持ちがあるんだったら、教えて? 俺はAちゃんを守りたい。」





Aside.


風磨くんの声は優しく私を包んで、私はもう泣くことしかできなかった。


だけど、風磨くんに言ってしまったら、かほちゃんは何をするかわからない。





「風磨くん、私、明日、ちゃんと対峙して、みようかなと、思います…。」


風磨くんがいる心強さで、ちょっと勇気を出せる気がした。




風「…そっか。えらい。でも、無理は絶対しちゃダメだよ。心配。」




「…終わって、解決できたら、風磨くん、全部の話、聞いてくれますか?」


風「もちろん。全部受け止める。待ってるよ。」


「はい。」




明日は1番最後の仕事がSexy Zone TV。


その時に、ちゃんと目を見て話すこと、包み隠さず話すことを約束した。






私、頑張れるかな。


かほちゃんに勝てるかな。







.

対峙→←危険2



目次へ作品を作る
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (239 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
903人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作成日時:2018年3月10日 19時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。