花火2 ページ28
Aside.
次は線香花火をするらしいから、手持ち花火を一気に消費する。
聡ちゃんが5本一気に点火したり、みんなで絵を描いて遊んだり。
私もカメラを置いて、思う存分楽しむことができた。
風磨くんがはしゃいで、「Aちゃん、ハート半分ずつ描こうぜ！！」って言った時はびっくりしたけど、ちゃんと風磨くんのスマホで健人くんに写真を撮ってもらってた。笑
そしていよいよ線香花火。
聡ちゃんの彼女目線カメラの撮影から始まった。
聡「一緒につけよ。せーの。」
パチパチと弾けるいい音。
聡「線香花火ってさ、すぐ消えちゃって、儚いけど、俺、結構好きなんだよね。」
聡「この火が消えちゃっても、俺の君への愛は消えないからね。」
聡「夏の思い出をありがとう。」
…
風「松島、何、お前笑 夏の思い出をありがとうって。笑」
聡「なんでかっこいいじゃん！！笑 健人くんとか言いそうじゃない？？」
風「少なからず、お前じゃない。笑」
聡「もうー、わかったから、早く行って！！笑」
なんかごねてる風磨くん。笑
こうふざけてばっかりいるのに、しっかり胸キュンはさせてくるのがタチの悪いところだと思う。
風「じゃあ、勝負ね。どっちが先に、落ちちゃうか。罰ゲーム、どうしよっかな。じゃあー、勝った方が、相手の言うことを聞くってことで。」
風「よし、いくよ？ せーの。」
パチパチパチッ
風「この夏、楽しかったね。俺、やっぱり夏が好きだわ。いっぱい思い出残せるじゃん。ね？？」
花火をしながら、風磨くんが真面目な顔でそう言ってこっちを見るから、思わず私も風磨くんを見てしまう。
風「はい。落としたー。そんなに勢いよくこっちみるから。笑」
作戦成功なんて顔をして、風磨くんはいたずらっ子みたいに笑う。
風「俺の勝ち。だから俺のいうこと聞いてもらうね。ほら、耳貸して。」
“今日の夜、俺のとこに来て。楽しいこと教えてあげる。”
カメラに向かって横から囁いてるから、私は風磨くんの顔が正面に見えるわけで。
完全に私と目を合わせたまま言われて戸惑った。
風磨くんは、見るからに赤面していく私をからかうようにいつもの調子で笑う。
ほんとにずるい人。
この島に来てから沢山ドキドキさせられてる私は、心臓が忙しくて大変。
スタッフさんが、「6人での写真撮っていきまーす！」って声をかけてくださったから、その場から急いで抜け出しちゃった。
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作成日時：2018年3月10日 19時
