後輩 ページ42
Aside.
4月。
ZIPに、入社したてのアナウンサーが挨拶に来た。
女の子と男の子が2人ずつ。
私ももう、就職してから1年が経ったことに気づく。
長谷川アナにも、
長「Aちゃんも先輩になったんだね。」
ってしみじみ言われた。
生放送前に、4人で挨拶に来てくれて、先輩になったことを実感。
女の子は、幡中みなみちゃんと狭山かほちゃんというらしい。
みなみちゃんは、
み「Aアナウンサーのこといつもテレビで見ていて憧れです！！！」
って、社交辞令感なく伝えてくれる、すごくまっすぐなキラキラした目の子。
「歳近いし下の名前で大丈夫だよ！！」
み「では、A先輩って呼ばせていただきます！ありがとうございます！！！」
屈託なくて可愛い子。
続いてかほちゃんも挨拶してくれて。
だけど。
か「狭山かほです。よろしくお願いします。」
顔は笑顔なんだけど、手を握る力が尋常じゃない。痛い。
か「A先輩、Sexy Zoneの皆さんとすごく仲良いですよね。」
目が嫉妬の色をしていて、思わず竦んで握手していた手を離す。
「一緒に番組させてもらってるからねー、たしかにありがたいことに仲良くしていただいてるかな！」
か「そうですよね！それだけですよね！！」
目が、アラがないか探っているような感じで、目を逸らしてしまった。
次の男の子2人が挨拶してくれて、なんとかかほちゃんの視線から逃れられた。
かほちゃんちょっと怖いかも。
…
か「狭山かほと申します。得意なことは、周りの人を笑顔にすることです！」
かほちゃんは声のトーンも上がっていて、さっきの怖い感じもなく、可愛い雰囲気。
顔がとっても整っているから、ぶりっ子な感じも可愛くて似合っている。
さっきのも思い違いだったらいいなぁなんて思いながら、自己紹介を聞いていた。
…
終了後、みなみちゃんが話しかけてくれたから、ミーティングの場所への移動中お喋り。
初の生放送の感想を聞いて、自分の1年前を思い出した。
すると急にみなみちゃんが声を潜めて、
み「かほちゃん、Sexy Zoneの熱狂的なファンらしくて、先輩に嫉妬してるんです。偉大な先輩になんて手出ししないと思うんですけど、気をつけておいてください。」
って言われた。
予感的中。
「教えてくれてありがとう。受け入れてもらえるように頑張るね。」
どうしたらいいかわからないけど、仲良くなれるように頑張りたいな。
.
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作成日時：2018年2月25日 12時
