デート2 ページ33
Aside.
風磨くんが連れてきてくださったカフェは、本当に密会が出来そうな、隠れ家的な場所。
ちょうどタイミングが良かったらしく、他にお客さんはいなかった。
風「ここ、いいでしょ。すごく居心地いいの。」
「はい、すごく好きな雰囲気です！」
シフォンケーキと紅茶を食べながらお話しする。
見に行く雑貨屋さんを決めて、その後はお互いの好みの話をして。
服の好みだけじゃなくて、好きな音楽のジャンルとか、好きな家の雰囲気とか、共感できることが多くてびっくり。
家族の話で、妹と弟の話をしている風磨くんはすごく優しいオーラが出ていて、いいお兄ちゃんなんだろうなって思った。
話していると唐突に、
風「Aちゃん彼氏いないの？」
って聞かれた。
「いませんよ！ 」
風「もったいないよね〜。こんなに可愛いのに。」
何をおっしゃってるんだか。
「そういう風磨くんもこないだいないっておっしゃってましたよね、風磨くんこんなにかっこいいのに。」
風「俺はいいの。今Aちゃんとデートしてるし。幸せ。」
「…そういうところ、ずるいですよね。」
さらっと嬉しいこと言ってくれるんだもん、こっちばっかり余裕なくてずるい。
風「あれ、照れてるの？？笑」
「うるさいです。」
風「…可愛い。笑」
風磨side.
前の収録もそうだけど、照れるAちゃんは可愛い。
俺の些細な言葉で照れてくれたら、脈ありなんじゃないかなって思ってしまう。
俺も余裕ぶってるけど全然そんなことなくて。
ほんとはAちゃんの可愛さを受け取るので精一杯。
話もそこそこに外に出ると、まだ少しだけ寒い3月。
無意識に手を袖で隠すAちゃんを見て、
風「ちょっと寒いね。…手、繋ぐ？」
って勇気を出してみたら、赤い顔で口パクパクさせてる。笑
風「今日はデートだからね。笑」
って言いながら手を取ると、おずおずと握ってくる小さい手。
ちょっと力を込めたら、Aちゃんも握り返してくれる。
自分で繋いでおきながら、ちょっと照れる。
自分が前を歩いて、火照った顔を隠しながら、目的地を目指した。
「…風磨くんも照れてますよね。」
風「…さぁ笑 んもう早く行くよAちゃん。」
結局Aちゃんの前ではカッコつけられなかったみたい。笑
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作成日時：2018年2月25日 12時
