2話 ページ3
アーサーの部屋のドアをゆっくり開けると、そこには机に向かっている彼が見えた。
真剣な表情をして気難しそうにしている。
私は足音を立てずに恐る恐る彼の方向に向かった。
「アーサー。手伝おうか?」
小さな声で彼に語りかけると、こちらに気付いたのか、私を見た。
「あ、あぁ。そうしてくれると助かる」
苦笑いをしながらそう言う彼。
私は彼の真横に移動して手をつけていない方の資料を手に取った。
……うわ、こういうの一番苦手。
統計グラフとか意味わかんないし。
すると嫌そうな顔をしている私を見かねたのか、アーサーは一番簡単なものを渡した。
「ほら、これならできるか?ハンコ押すだけ50枚半……って、べ、別にかわいそうだったから簡単なやつ渡したわけじゃねぇからな!気まぐれだ!」
と、赤面になりながらそう言う彼。
なんでそこで照れるんだよ。照れる要素なんてあっただろうか。
そんなことを思いながら、すぐに近くの椅子に座ると、それに手をつけた。
こんなの簡単すぎる。
私は一枚一枚丁寧にハンコをおした。
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二時間通しで何とか終わることができたが、時計の針はすでに2時半をさしていた。
隣のアーサーは疲れでぐったりしている。
紅茶でも持ってきてあげようかな。
「アーサー、紅茶持ってくるね」
そう言った後の彼の返事は、Thanksだけだった。
こりゃ本当に疲れてるな。
私はすぐにキッチンへと向かった。
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RIRI(プロフ) - やぎさん» コメントありがとうございます!まさか、そんな言葉をいただけるなんて(;゚Д゚)嬉しいです (2017年5月6日 11時) (レス) id: 6e77d3ddfb (このIDを非表示/違反報告)
やぎ - すごく素敵です…! (2017年5月6日 11時) (レス) id: de1fb8e27d (このIDを非表示/違反報告)
RIRI(プロフ) - リーザさん» コメントありがとうございます!忙しいですけど頑張って更新していくつもりです(^_^;) (2017年4月25日 23時) (携帯から) (レス) id: 88e56389f9 (このIDを非表示/違反報告)
リーザ(プロフ) - 面白かったです!日常をこんな風に何気なく平和に描けるって素敵ですね!更新応援しております! (2017年4月25日 18時) (レス) id: 8dfcff65f9 (このIDを非表示/違反報告)
RIRI(プロフ) - (`∇´ゞありがとうございます! (2017年4月19日 17時) (携帯から) (レス) id: 88e56389f9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:RIRI | 作成日時:2017年4月15日 16時