温もりのネックレス。 ページ40
抱いた瞬間わかったよ
骨でも鉄でもなく
触ったときのあるような
硬いもの。
まさか、とは思ったけど
これはまさに
鳥「っ・・・雲。」
貴「な、なに・・・キャッ!」
俺があげたものと同じものだ。
鳥「なんで、ここに飾ってあるネックレスが、胸元にあるんや?」
誰にこんなものを
いつ貰ったのか
なんでつけてるのか
頭の中は疑問と怒りでぎっしりだった。
貴「これは・・・もともともっていたもので・・・・」
鳥「嘘つけ。これ、限定品やぞ?限定品が何故お前がもってる。
外にもでれねぇやろーが、しかも仕事もしてねぇやろーが
ダイヤのネックレスが買えるか?ふつーは、買えねぇやろ。」
ぶち壊しだ。
ダイヤのように硬い愛があると思ってたけど
簡単にこわれっちまったよ。
貴「ひどいよ、酷すぎるよぉ・・・」
鳥「お前が悪いんやぞ。」
貴「仕事したくてもできないんだよぉ、外に行きたくても行けないんだよぉ
それを知ってていうなんて・・・酷いよぉ。」
大粒の涙はダイヤのようにきらびやかだった。
鳥「なら、説明しろ。なんでここにあるのか、誰に貰ったのか、なんでつけてるのか。」
貴「いいよ、答えるよ。でも、怒らない?どならない?」
鳥「怒鳴らんからっ・・・はよ、言えや。」
俺が言葉を発すると同時に
びくびくしてながら泣いている君はとっても弱弱しかった。
貴「貰ったの。勇人に。こっち来る前に、大介と勇人と久とお出かけして
お土産にプレゼントしてもらったの。作っちゃいけない、もらっちゃいけないって思ったけど、
楽しくて楽しくて・・・そんなこと忘れちゃったの。だから、ずっとここに置いていつまでも忘
れないようにしよぅって思ってたの。・・・」
怒って悪かった。
って正直思ったよ。
でも、勇人からってのが気に食わない。
鳥「じゃ、なんで俺のはつけない。」
貴「ばれたら、怒っていなくなっちゃうかなって思ったから・・・」
鳥「確かに?俺は怒った。でも、居なくはならない。」
貴「えっ?」
鳥「二つつけたってええやん?贅沢してもええやん。ほら・・・」
冷え切ったネックレスは雲の温もりで
暖められていった・・・
貴「ダメ・・・思い出つくっちゃだめ・・・」
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作者名:うさぎ | 作成日時:2014年1月7日 20時