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「菜々子、あんた 篠原くんには気をつけなよ」





お昼を食べてるとき、雪音にそんなことを言われた。

ぽと、とプチトマトが箸から落ちる。






「篠原くん?」


「そう」


「なんで?あんなにいい人なのに?」


「あー…いい人、って言われたら かなりいい人なんだろうけど」





雪音は食べ終わったパンの袋をクシャリと丸め、ごみ箱に投げる。

綺麗に弧を描いたそれは、吸い込まれるようにゴミ箱へ。ナイスシュート。







「独占欲の塊って感じ。そのうち なんかされるよ」


「なんか?」


「いやそれはわかんないけど、まぁ、頭いい奴は何考えてるのかわからないってこと」


「…ふーん?」


「生徒会の副会長に、サッカー部のキャプテンかぁ。あんたも大変だね」


「うん、書類書くのも マネージャーの雑用やるのも大変!」


「……。」







雪音は 『あほだこいつ』とでも言いたそうな目で私の頭を撫でる。

頭を撫でてくれるのは嬉しいけど、その視線とっても気に食わないです…。





と。









「菜々子」


「ん?…梓くん、どうしたの?…て、何?それ」







梓くんが ずい、と私に大きな袋を渡してくる。






「うわ、なにこのバカでかい袋。西海、あんた学校に何持って来てんの」


「英にはコレやるよ」


「は?…って、え?!」






梓くんは、ぽいっと 雪音に何かを投げる。

雪音の手には、雪音の大好きなキャラのキーホルダー。






「えっ、う、うそ、これ 一部のゲーセンでしか取れないやつじゃん」


「やるよ、昨日部活帰りに 友達とゲーセン行って たまたま取っただけだから」


「西海様と呼ばせてください」


「今度ジュースな」


「見返り求めんのかい」


「当たり前」






そこまで言うと、梓くんは 大きい袋から 何かを取り出す。

なんだろう、と不思議に思っていると







「わ、わぁ…!ニコうさ…!!!」







『ニコニコうさちゃん』

通称ニコうさ(特徴は太陽顔負けの笑顔と耳の付け根にある花だよ!)の巨大ぬいぐるみが 袋から顔を出す。







「わぁぁぁぁ…!いいなぁ、これ、この前雪音とゲーセン行って5000円使ったのに取れなかったやつだ…!」


「菜々子はゲーム類は壊滅的だから やめとけって言ったのに」


「すっごく欲しかったんだもん…!」

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作者名:向日葵 | 作成日時:2016年2月3日 10時

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