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「お日様出てるから、あったかいね〜…」


「うん、部活楽しみ」


「ふふ、梓くん 本当に部活好きだよね!」


「サッカー好きだし、サッカー部の奴ら 皆面白いからさ」


「私もそう思う!」






ぽかぽかの天気の中、テラスで 梓くんとご飯。

お弁当を食べ終わり、梓くんからもらったプリンのふたを開ける。






「わ…、美味しそう!」


「ははっ、菜々子 幸せそう」


「だって、購買のプリン すっごく美味しいんだもん。私が行ったらもう無くなってるから買えないけど…。あ、でも梓くんは 足速いから買えるんだね」


「…菜々子が欲しいなら、俺 いつでも買うよ」


「わ、ほんと?嬉しい!じゃあ、お礼に何か飲み物奢るね」


「いいよ、いらないよ」


「え、でも、それじゃあお礼できないよ」


「いいよ」







梓くんは、食べ終わったパンの袋を くしゃり、と握る。


そして、私の目を見つめる。

梓くんは心なしか顔が赤くて、その視線までも熱くて。







「菜々子、限定だよ。こんなことするの」






耐え切れない、とでも言うように ふいと視線をそらしてしまう。

口に入れたプリンは ろくに味もわからないまま 喉を通り抜けていく。







「あ、梓…くん?」


「菜々子、」


「な、に…?」


「…………なんでも、ない」









レジ袋にパンの袋を強引に入れる。

思い詰めている梓くんの顔。



なにがあったの?私でよければ話して。

そんな簡単に言えなくて、きょろきょろとあたりを見渡す。


何か、梓くんが元気になれるもの…。





あ、








「梓くん!」


「ん?」


「はい、あーんして」


「え、」


「このプリン、美味しいよ!」


「な、菜々子」


「元気ない時は甘いものだよ」








少し強引にプリンの乗ったスプーンを口元に持っていく。


戸惑う梓くんを見て、あ、と思う。







「ご、ごめんね。私が使った後のスプーンなんて」


「……。」


「あ、」







ぐい、と手首を引っ張られ、スプーンが梓くんの口に入る。


すぐに戻された手首。

この時の私は、たぶん 本島に馬鹿みたいな顔してたと思います。

ポカンとしてました。







「……あ、あり、がと!」






少し固まり気味の声。

それを聞いて、ハッと我に返る。







「あ、いや、う、ううん、どういたしまして!」

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作者名:向日葵 | 作成日時:2016年2月3日 10時

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