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「菜々子ー。お昼休みのアレ、どーすんの?」
放課後。
部活であるサッカー部(マネージャーだけど)の第2グラウンドで選手たちの水分を準備してる最中、同じマネージャー仲間の、英 雪音(はなぶさ ゆきね)が そんなことを聞いてきた。
「…どうするもなにも…」
「あの様子じゃ知らなかったんでしょ、あの人の事」
「雪音は知ってるの?あの人。ええと…」
「篠原 旭でしょ?知ってるに決まってんじゃん、超有名人だし」
「そうなの?!…でも、S組にしては なんだか軽そうな人っていうか…。あ、軽くて有名、とか?」
「何言ってんの、逆逆。確かに見た目は軽いけど、あの人超頭いいらしいよ」
「え?!」
F、E、D組は 総合進学コース。
C、B、A組は 特別進学コース。
S組は 特別進学選抜コース。
選抜コースは A組から見ても おかしいくらいの頭の良さで…。
進学校の北英学園の中でも、桁違いの偏差値を持った人たちが集まるクラス…だけど。
「あんなに軽そうな人がっ…?!」
「あの人、真面目だよ。告られてもバッサリ切るし、女たらしなんて呼びたくても呼べないよ」
「へ、ぇ…」
「しかもイケメンだしね。しかもあの綺麗な茶髪ね〜。あれ遺伝デショ」
「染めてないの?」
「プリンになってるところ見たことないし、何度も染めてたら 必ず痛むでしょ。いーなー。私なんて絵具塗ったのかってくらい黒いし」
「雪音の髪、凄く綺麗なのに」
「茶色のほうが可愛いよー」
「そうかなぁ」
そんな他愛のない話をしていたら。
「百瀬さん!」
後ろのほうから、聞き覚えのある声。
特に何も考えずに振り向いたら。
「!」
「あら、噂をすれば」
にこにこと、手に持っているファイルごと ぶんぶん振り回している
篠原くん。
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作者名:向日葵 | 作成日時:2016年2月3日 10時