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そうして、舞踏会は終わりをつげ、僕は花さんを家の前まで送った。
繋いだ手。
繋いでた分 通じ合っている熱が、離れたらどれだけ冷たくなるのか。
切なくて、寂しくて 僕たちは手を離すことができない。
「…夢、見てるみたいよ」
「…え？」
「好きな人と結ばれるなんて…、私には縁のないことだと思っていたから」
今までにない優しい笑顔を浮かべた花さんは、きゅ、と手に力を込めた。
「…随分 可愛いことをおっしゃってくださいますね」
花さんと距離を縮め、その耳に唇を落とす。
びく、と肩をすくめた花さんの仕草がまた可愛い。
「離れたく、ない」
「…お誘いになっているのですか？」
夜なんだから、そういうこと言っちゃダメです。
そういう意味を込めて、かつ冗談でそう言った。
けど
「…そうよ、って…言ったら…？」
色香をこれみよがしに僕に押し当て、あまりのそれに僕はせき込みそうだった。
しまった。
罠をかけたつもりが、逆にかけられた。
「は、花さんは 本当に楊貴妃のようです」
「…は？」
「僕を、崩す、傾国の姫君。そんなに僕を惑わせて どうするおつもりですか…」
花さんはキョトンとした顔を見せ、クスクスと綺麗に笑う。
「崩れて…乱れて、
もっと私に溺れてしまえばいいと思ってるわ」
今度は僕がキョトンとする番だった。
ああ、本当に敵わない。
「困った人だ、本当に」
僕を掴んで離さない、その人に。
僕も負けじと強引に、小悪魔な楊貴妃へ 口づけをくれてやった。
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向日葵(プロフ) - Yuwa☆さん» わぁ、ありがとうございます！趣味程度に細々と書いていた小説にコメントを頂けると嬉しいです(*'▽') (2014年12月27日 12時) (
レス) id: 9f8ab9b016 (このIDを非表示/違反報告)
Yuwa☆(プロフ) - この小説、すごく面白い！！更新頑張って！！ (2014年12月23日 10時) (レス) id: e5ea87c0cf (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：向日葵 | 作成日時：2014年3月21日 10時
