ひまわり畑ー5 (ページ9)

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バスの中ーー小山ページ9

朝方５時

高木『ーーもしもし？大丈夫？ーー…そっか…。

そこにお義母さんいる？…ーーあ、お義母さん、すみません。お世話になってばかりで…。

ーーはい、今日の夜には病院に行けそうなので、よろしくお願いします。

ーーはい、ーーいえそんな、大丈夫です。ーーはい、失礼します…

ーーピッ』

『ーー…ん…。何？高木、電話？』

マネージャーの電話の声で目が覚めたオレは、電話が終わったところで声をかけた

高木『あ…、すみません。起こしちゃいましたか…(汗)

実はうちの奥さんが夜中に出血して…。

緊急入院したんです。

『えっ…、出血って、予定日までまだあるじゃん…。

大丈夫なの？』

こいつの奥さん、確か予定日は四月だったよな…？？

高木『今は落ち着いてるみたいでお義母さんもいてくれてるから大丈夫なんですけど…

あの…今日少し早めに…』

言い出しにくそうな高木を遮って

『んなもんそっち優先だよっ。

東京着いたらすぐにあがっていいから！

高木『すみません…。ありがとうございます…』

『二宮さんにだけ連絡しといて。

高木『はい…。ホントにすみません』

そんな申し訳ない顔すんなって…。

こいつも奥さんが大変な時に、うちのトラブルに巻き込む感じになっちまったな

まっすーが出した決断

あれは絶対あいつの本心じゃなかった

だからスマホのデータを消されるとき一度抵抗したんだ

『嫌です』

って。

でもオレらはそんなあいつを遠くからただ見てるだけだった。

まっすーの気持ちを尊重するって決めてたんなら、

真っ先にオレたちはあの時あいつのスマホを守ってやらなきゃいけなかったんじゃないだろうか

いや

違うな…

たぶんオレ

あの時

あ、これで全部終わるな

ーーって、思っちゃったんだ。

全部消えて

全部終わり

これで明日から次のコンサート頑張れるななんて思っちゃったんだ

オレってサイテーなリーダーだな…ホントに…