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A「ーーえ…。その傷…自分で…?
「うん…。
Aがせっかくつけてくれたしるしの場所、忘れたくなくて…。
屋上庭園の植木の枝で引っ掻いた。」
A「……」
言ったそばから恥ずすぎて俯いた
でも今はダサくて弱い本音しかでてこない
「オレね…。3年なんてあっとゆーまだと思ってたの。
A「うん…
「日本とニューヨークでも、ラインは毎日できるし
テレビ電話だってできるし
いざとなれば会いにも行けるって思ってた。
A「ほんとに…?w
「ん〜…。いや、それは難しいかw
Aがニューヨークたつ前には東京のオレのマンションに泊まらしてやろうって思っててさ、
その時までに料理のレパートリー増やさなきゃって思ってたの。
留学終わって東京でてきたら、すぐに一緒に住めるように広めのマンションにも引っ越しとこうなんて…
フッ…wダサいよね〜…
でもすっごい楽しかったの、考えてるとき。
あのレセプションの後までずっと楽しかった。
でも
オレたち別れちゃったじゃない…?
A「……
「あんなに考えてた予定、全部消えちゃってさ…w
キスマークまで消えたら本当に何も残らない気がして、
毎日傷口引っ掻いて、それがキッカケで熱出してまたぶっ倒れるなんて
オレってホントダサいよねぇ…」
全部言い切ったらもう情けなくて情けなくて
涙もぼろぼろ出てきた
カッコ悪い
今更ながら
ツギハギだらけのこの傷が醜く思えて、オレだけすごくみじめに思えて
傷口がすごく痒く感じたから、捕まれてる手を振り払おうとしたけど
ーー…
その瞬間、オレはAにキスされた
A「もうっ…。ほんとにバカッ…。
そんな事して…っ。
でも、キスマーク消えて悲しかったのは私も同じだよ?」
ーーえ…?
「ほんとに…?
A「うん…。すごく寂しかった。」
そうなんだ…。オレだけじゃなかった…。
嬉しい…
A「だって、私まだ貴久の事好きなんだよー?
貴久にもらった香水も毎晩使ってるし、ネックレスだっていつも…あっ、そうだ!
貴久ちょっと目つぶって?
「へ?」
今はくっつくとこじゃない?
雰囲気をぶち壊すようにAはオレからヒョイと離れると
A「ほら早くっ。いいよって言うまで開けちゃダメだよ?
「??」
なんだ?
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作者名:ひまわり | 作成日時:2019年1月8日 0時