ケンカ ページ26
ーーコンコン…
窓を叩く音
A「ー！きたっ(汗)」
ーーガチャ
増田「お待たせしました櫻井さん…って、何やってんのA…」
後部座席の隅に隠れているお嬢様の姿に
ドアを開けた増田さんは呆れていた
「おつかれさまです、増田さん。
お嬢様から何かお話かあるようですよ？
A「えっ(汗)ちょっと(汗)
増田「…なに？オレ早く帰って明日の準備したいんだけど」
増田さんも意地張ってるな…。
仕方ない。
「申し訳ありませんが先にガソリンスタンドに寄らせてください。」
世話のやけるカップルだよこの二人は…。
増田side
本当は、今日は朝からラジオ収録に行く直前までAと一緒に過ごすつもりだった
昨日の夜は東京から持ってきてた面白いDVDを二人で見て
大笑いして、夕飯食べて、風呂入って、一緒に布団に潜り込んで
いっぱい愛し合って…
今朝はゆっくり起きてスマホに撮りためてた画像をプリントアウトしようかなんて話してたのに
こいつときたら
いきなりニューヨークやっぱり行きたくないとか言ってくるし
まぁ、あんな事があったら誰だって怖いのはわかるけど
そりゃオレもデリカシーのない聞き方して悪かったと思ってるけど…
回想ーー
A『やっぱりニューヨーク行くのやめようかな…』
遅い朝食の後
ボソッとそんな事を言ってきた
『何言ってんだよ。あんな事で自分のチャンス逃す事ないじゃない。
行ってきなよ。』
A『貴久にはどーせわかんないよ
『そんな事ないよ。Aが辛い思いしたのは充分わかってるさ。でも夢をそんな簡単に諦めちゃっていいの？
A『べつに私がニューヨーク行かなくたって貴久には関係ないじゃない
そんなに私と離れたいの？
『そんな事は言ってないじゃんか。
でも頑張って勉強してやっと行けるようになったんだろ？
お兄さんだって応援してくれてるし、櫻井さんも一緒に行ってくれるんだから大丈夫だよ
A『私は行きたくないもん！お兄ちゃんが勝手に盛り上がってるだけだもん！
もう！こんなことなら試験なんて落ちちゃえばよかった！』
ーーこいつやっぱりわかってない
『おい、お前それ本気で言ってんのか？
A『……本気だもん
『お前がニューヨークに行けるって事は、誰かが行けなくなったって事なんだぞ？
A『……』
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作者名：ひまわり | 作成日時：2018年11月23日 17時
