ヤキモチ ページ20
増田side
「ーーえっ、今日は帰って来ないの？
A「うん。東京から知り合いのお兄ちゃんが帰って来るの。
グランドホテルで夕飯一緒に食べる事になったから、私も貴久今夜いないし泊まろうと思ってね？」
仕事が思いのほかはやく終わったからAの部屋に行ったのに、彼女は出掛ける準備をしていた。
そらオレも山田と夕飯の約束してるけど泊まるって…
「その人結婚してんの？
A「ううん。独身。
「年いくつの人？
A「35だよ。お兄ちゃんと同級生なの♪ーーあ、ハンカチとってこないとっ」
そう言ってパタパタと寝室に行ってしまった。
すごく楽しみにしてんのが気に入らない…。
「ねぇ、それ別に泊まんなくてよくない？
メシ食ったら帰ってくりゃいーじゃん」
後ろからついていってAに絡む
A「昔から遊んでもらってすごくお世話になったお兄ちゃんなの。
会うのだってすごく久しぶりだし、ゆっくりお話したいじゃない。」
「オレ夜は帰ってくるよ？
A「でも明日から朝早いんでしょ？」
明日…
ハッ…。明日は朝から稽古だ…(汗)
でも
「夜はAと居たいよ…。」
後ろから抱き寄せてベッドに座った
A「たかひさ…」
抱き寄せた手にAの愛おしい手が重なる
分かってる
オレ、今ヤキモチやいてんだ
見たこともないAの中にいる『知り合いのお兄ちゃん』の存在が
とてつもなく脅威に思えて
今夜一緒にいれなかったらすごく後悔してしまいそうな気がしてならなくて
30過ぎのいい大人が
20代半ばのオレより全然子どもな彼女の事を独占したくてたまらないんだ
こんなに焦ってんのはオレだけなのがなんか哀しいんだけど…
「もうあと二週間くらいでオレたち離れちゃうんだよ…？」
心の声が思わず口から溢れた
A「うん。そーだね
「そーだねって…。なんだよ…。寂しくないの？オレだけ寂しいの？
A「違うよ。そんな事ないよ
「じゃなんだよっ…」
ーーっ！？
イライラして彼女の身体を無理やりこっちに向けたら
A「……ッ」
Aは目を真っ赤にして、静かに泣いてた
「A…っ、ゴメン…っ。オレついイラついちゃった(汗)
ゴメン！ゴメン…！」
ずっとずっと我慢してるのは
君なんだ…
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作者名：ひまわり | 作成日時：2018年10月28日 14時
