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突然そんなこと聞かれるなんて思っていなかった。
「彼氏なんているわけないじゃん。」
冷たくそう言い放つと、聖也は「そっかー」と言った。
「じゃあさ、もし好きって言ったらどーする?」
「は、?」
どういうこと?
聖也がなんで?
その一言で思考回路がぐちゃぐちゃになってしまった。
いや、でも『もし』の話。
「時と場合による、かな」
「ふうん、さすがに軽い女ではないか」
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「なに?軽い女だと思ってたわけ?」
「いやー?別に」
なんなの。
話してるだけなのに鼓動がうるさい。
恋って、なんなの。
「俺さ、好きな人がいるんだよね」
そういわれ、「うん、知ってる」と答えると「さすが情報屋」と笑われた。
「好きな人がかわいすぎてさ、困るんだよ」
「ふーん、んで?」
「俺の好きな人はさ、頑張り屋さんで、いつも無理して笑って、俺はそれを見てることしかできない。」
「へえ。」
『頑張り屋さんで無理して笑う』
でも聖也くんにいつも見てもらえてるんだ。
うらやましいな。
「俺と話してるときもさ、興味ないみたいな顔して、返事も素っ気ないんだよね。」
「そうなんだ。」
聖也くんと話して、興味なさそうな顔するんだったら、私と変わってほしい。
私も聖也くんとたくさん話したいし。
「んで、俺その子に告るつもりなんだよね」
「絶対成功すると思うよ。頑張って。」
「うん、頑張るわ!」
告白だとか、好きな子だとか、口にだせるのがうらやましい。
「好きな子が私だったらよかったのに、、、」
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作者名:リリィ0.0 | 作成日時:2023年9月18日 19時