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「やっぱり、人間関係って難しいな」
ずっと仲良くしてきた人だって、結局は自分のことしか考えてない。
自分がクラスで悪く思われないように、ほかの人を悪人にして、自分は涼しい顔で学校に来れるなんて、すごいと思う。
結局、人間はそんな生き物なんだからしょうがない。
自分がよければ、それでいいんだから。
もちろん、私もだ。
こんな意味のないことを考えるのをやめれば、きっとほかの人に心を開いてもらえるのだろう。
自分が素直になれば。
ただそれだけで、友達と仲良くできる。
でも、この体に染みついたこの性格は、もう直りそうにない。
だったら「隠せばいい」。
「もう一人の私」になればいいのだから。
いままで結んでた髪をおろして、見た目から変えた。
「おはよ、」
そんな一言でも、勇気を出して言った言葉だ。
いままで、特別陰キャというわけではなかったが、このクラスになじめてないというのは薄々感じてた。
「おはよう」
え、?
うつむいてた顔を少し上げると、そこには杉山聖也がいた。
「せいや、くん、」
聖也くんは、自分の頭を指さして「髪、おろしたんだな」と。
「似合ってる。」
その一言で、世界が変わった気がした。
前髪を作りたかったけれど、部活が合唱なので、前髪を作るといろいろ面倒だから、作らないことにした。
「聖也くんには、もっとかわいい子がお似合いなんだろうな、」
聖也くんを見かけるたび、心臓の音がうるさくなる。
「嫌われたくないな、」
鏡の向こうにいる自分に向かって、そう呟いた。
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作者名:リリィ0.0 | 作成日時:2023年9月18日 19時