音柱は嫁依存症

善逸くん、調子は…？ ページ28

京極屋に忍び込み

善逸くんを探すも

善逸くんの姿が見えない。


琴や三味線の練習でも

しているのかと思い

練習部屋らしき場所を除くも

善逸くんはいなかった。


全てを見て回っても

善逸くんはいない。



一箇所。

人がバタバタして

急いで片付けをしているの部屋があった。

酷く荒れていたけど、

大抵の店の花魁部屋は

あまり変わらないので

きっと花魁の部屋だろう。


花魁なんだから、自分で片付けなさいよ。

ろくでもない花魁だな、絶対に。



善逸くんとすれ違ったりしたかな。

見つけるまで帰らないわよ！！




丁度、廊下ですれ違った遊女に

声をかける。

急いでるようだけど

こちらも急いでいるので

仕方ない。許して。←



『あのぅ…、善い…

善子、見てませんか？？』



遊女は焦り出した。


『すみません、

急いでる時に…』

「私も探してて！！

いないのよ、善子！

どこ探してもいないの！

色んな人に聞いたんだけど…

誰も見てないって。


蕨姫花魁の機嫌を損ねたからだわ…」

『蕨姫…花魁…？

何があったんです？』


花魁の機嫌を損ねた？？

あの善逸くんが…？？

女の子の機嫌を損ねるような

ヘマをしたっていうの？

ベタベタしすぎたのなら分かるけど。←



「えぇ！なんで知らないの！？

あんな大騒ぎになったのに…！


善子がね、

蕨姫花魁が自分のかむろを虐めてるのを

止めに入ったのよ。

そしたら蕨姫花魁ったら癇癪起こして

善子、投げ飛ばされて…。

気絶したから

とりあえず寝かしておいたら

いなく、なってて……。


旦那さんにも相談したのね、私。

でも、全然掛け合ってくれないの！

足抜けしたんだろうって…」








足抜け…？


おかしい。


善逸くんは昨日入ったばかり。

客すら取ってないのに

足抜けなんてありえないでしょ。


旦那さんもそのことは知ってるはず。

それか……、

よっぽど脳味噌爆発してるか。←




その蕨姫花魁ってのと旦那さん、

怪しいな。


見たところ雛鶴さんもいないし。




不安になってる場合じゃない。


ほら、目の前には

もっともっと怯えてる人がいる。




遊女の手を握る。


『大丈夫。大丈夫ですよ。


きっと見つかります。

私も探してみますね』

「うんっ…！」

『さ、仕事に戻らなきゃ…』

「あ、私も！！」



遊女と別れて

人がいない部屋の窓から

外に出た。




「あれ…あんな子、

うちの店にいたかしら…？

まぁ、いっか」

天元様、元気出して。→←みんな、元気？？

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