音柱は恋人依存症

私、頭を回転させて。 ページ13

頸に刃を通す。


手応えがあったから、

もうすぐ、

形が崩れて死ぬはず。




鬼の手から力が抜けて

加代子さんが落ちていく。


すかさず抱きかかえて

男の人に預けた。




『少し待っていてください。


とりあえず、藤の香り袋を。

きっと守ってくれます。


私が戻るまで、

木の陰に隠れてくださいね』



くるみを呼び、

隠の人を要請する。




2人には隠れていてもらい、

私は森の奥へ。




鬼が向かおうとした方向に

人がいるかもしれない。





どうか、生きていて。









奥に進むと、

そこまで深くない

落とし穴のようなものがあった。


中にはぎゅうぎゅうに

人が沢山。



すっかり怯えてしまっている。

可哀想に…。




『こんにちは。

私は河村 A。鬼狩りです。

どうか安心してくださいっ。


助けに来ましたよ！』




「あぁ、良かった…」

「鬼狩り様だ…」

「鬼狩り様がいるなら、安心ね」


『鬼狩りって認知されてる方

結構いらっしゃるんですね！

嬉しいです！！』




少しでも落ち着いてもらえるように

楽しい話をしよう。









すると、後ろから突然の









殺気。









慌てて構える。







振り向けば、

頸を落としたはずの鬼が

のそのそと歩いてきた。






なんでなんでーっ！？


私頸斬ったじゃーん！！？




アンタそこまできたら

十二鬼月入れるよ。


なんで入れないのよ。








どうしよう。


外に出ているより

穴に入ってた方が

安全だと判断する。


私が穴には

一歩も近づけさせないから。





綿鬼「俺の頸が斬れたと

思ったのか…？


俺は霧と同じ。

お前が刃を振るった時に

俺は頸を自分で切り離した」



『そんなのアリですか』



師範〜！

どうしましょう。


これじゃ柱になれませんよ！



方法を見つけないと…。









須 “知ってますか？

霧は石油を燃やすと消えるんですって！”









須磨さんの言葉を思い出した。


ありがとう須磨さん！！





綿鬼「お前から殺してやる！！」





反対方向に走って

鬼と穴の距離を離す。



即座に小枝数本に火をつけた。

一気に全て燃え上がる小枝達。





師範すみません。


_____師範の呼吸、お借りします。






『音の呼吸・肆の型・響斬無限』




刀を振り回し、

燃え盛る小枝を切り刻む。


火の小枝は鬼の体を包み込んで燃やした。



綿状の物が消え、

本体が現れる。


斬れる。

貴方、嘘でしょ？→←私、怒ったよ。

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