音柱は恋人依存症

師範、単独任務です！ ページ11

「南南西！南南西！！

白樺ノ森！

森ニ立チ入ッタ者ガ皆、

行方不明トナッテイル！


心シテムカエ！！」


宇「おい鴉。

合同任務か？」



くるみは師範に問われると

酷く警戒をした。


……師範、貴方一体なにしたのよ。



「単独任務！！

心シテムカエェ！！」

『はーい！

心してむかいまーす！！』



みんな行方不明だなんて…。

被害がありませんように。


早く、夜になる前に

森に行かなくっちゃ。




『師範！

行ってまいります！！


朝には帰れるようにしますが、

もし無理な場合は

くるみを遣わせますから』


宇「おぅ。気ィつけてな。


俺は南南東でド派手に任務だから、

早く終われたらそっち行くわ」

『ありがとうございます！

ご武運を！！』









_______白樺の森。


正しい名前は分かんないけど、

白樺の木が沢山だから、

白樺の森。


こんなに落ち着く、

綺麗な森に鬼が

出るとはにわかに信じがたい。






日が落ちてきた。


そろそろだ。





もし行方不明者に

鬼が関与しているなら、

この森に入ったのは

日が落ちてからとなる。


どうしてこんな…暗いのに……。









「…は…こ……んだ」

「き……てか…な…」


『！？』


人の声！！


まずい。

もう日は沈んでる。


早く避難させないと…！



声を頼りに走る。








『なんなのコレ…？』




声は近づいている。


ただ、だんだん霧が濃くなって

前がよくわからない。



火…、火を、灯が欲しい。



懐からマッチを取り出す。

近くの太めの枝に放火。


一気に辺りが

見やすくなって、

前も見える。






そのまま真っ直ぐ走ると、

若い男女がいた。


良かった…。

なんともない…。




『あの！！大丈夫ですか！？』

男「…！？！？


…あ、はぃ…、いえ！

迷ってしまって」

女「日があるうちに

帰ろうとしたら、


急に霧がでて…」

『そうでしたか。

共に帰りましょ…』




女「キャアアああ！！」



女の人の悲鳴。

一瞬で女の人が

いなくなった。


まさか鬼が！！



気配が全くなかった！




男「加代子！！」

『木を、持っていただけますか…。


くれぐれも火傷に気をつけて』



火のついた木を手渡す。

加代子さん、だっけ？







『加代子さんは、私が守りますから』




日輪刀を強く握りしめる。









目の前には、


宙に浮かぶ…


いいや、何かに掴まれている加代子さんと




綿で身体が包まれた異形の鬼。

私、怒ったよ。→←師範、分からないです。※ややピンク

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