音柱は恋人依存症

師範、忘れないでくださいね？ ページ1

音柱である師範と

恋仲の関係になってから1週間。


恋仲とはいえ、

彼は私の師範であり、

私は彼の継子である。




そこらへんの線引きは

しっかりとしたい。





しっかりしたい…。←







『師範、くっつきすぎじゃ…？？？』





現在、師範に

稽古をつけてもらっている。


本日は主に

太刀筋矯正。


刀の振り方に現れている、

私の無駄な動き、

変な癖を直してくれている。



……らしい…。





と、いうのも。



やけに師範が私の体に

触れてくるのです。




「腕の振りはこう」と

言われたときには

師範が私の背後に立ち、

私の背中と師範の胸板が密着する上に、

木刀を握る手は

師範の大きな手で覆われる。


「腰に力を入れろ」と

言われたときには

いやらしい手つきで

腰を掴まれる……

というか、

撫でられる。




師範とあの夜、

大きく綺麗な月の下で

恋仲になったのは

本当に嬉しいし、

今でも考えただけで幸せになれる。





ただ、師範。



私、一応継子です。







アンタ、絶対忘れてるでしょ。←







宇「うるせぇ。


太刀筋矯正してんだよ。


お嫁さん修行兼ねてなっ。




……なんだ。


もうへばってんのかー？？




…ハッ。

地味だな〜」


『くぅうう〜〜〜！！』





地味って言われた！


地味って言われたぁ！！！←




「地味」という言葉は

本来なら、

師範にのみ通用する

罵倒の言葉。



それなのに…、最近

なんだか私まで

「地味」と言われると

心に傷ができてしまうようになりました。





師範に、似てる…。


ちょっと嬉しいかもー///





あ、でも！！だからと言って！！！


今まで通りの稽古に

お嫁さん修行を混ぜるのは

私にとって良くない！



色々良くない！



師範のことは、

好きだけど！！///←






『師範…。///


普段の稽古と、

お嫁さん修行は、

別けてください。





心臓が持たなくて

切り替えが難しいんですよ///』



すると師範は

ド派手に顔を赤くさせた。


まるで爆弾のように。




宇「し、仕方ねぇ！！


稽古と修行は別けてやるよ！」

『ありがとうございます！』




宇(心臓もたねぇとか、可愛いこと言うなよ…)





師範の顔が私の耳元に

近づいた。


そして囁く。




宇「ただし、お嫁さん修行は、毎日やるぜ？

俺の部屋でな」




『……ひゃい…///』



どちらにせよ、

私の心臓は持ちそうにない。

師範、緊張します。→

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