音柱は恋人依存症

師範、ごめんなさい。 ページ15

目が覚める。






もぞもぞと起き上がると、

隣にはカナヲちゃんが。


『お、おはよう』

カナヲ「A…、良かった！

今、師範を呼んでくるから」







し「うん。脈も問題ないようですね。


宇髄さんは任務なので、

少し待っていてください」

『はい、お騒がせしました』


宇「A！！！」

し「本当にお速いですね。

任務はどうしたんでしょうかー」




言った側から来た。


胡蝶様の話は無視して、

一目散に私に駆け寄り、

師範は私を抱きしめた。



かなり痛いけど、

でも、

いいの。








今は、

この人の温もりが欲しい。


離してほしくなくて、

私も師範を

ありったけの力で抱きしめる。








宇「お前が、倒れたって聞いて、

生きた心地がしなかった。


地味なことになってんじゃねぇよ。



…どうしようかと思ったぜ？」

『ごめんなさい師範っ…。


…っ、ごめんなさい！！』



無惨に目をつけられ、

鬼殺隊にいられるのか、

師範に嫌われないか、

怖くて涙が溢れ出す。



宇「……胡蝶、悪い。


少し2人にしてくれ」


し「分かりました。

用が済みましたら

診察室まで来てくださいね」









大きな寝室に

師範と2人っきり。


一旦体は離れたものの

手は握ってくれている。




宇「A、何があった？」



このことを隠しておいた方が

良いのではと思ってしまった。


でも…。







師範に、隠し事はしたくない。


無惨が出した尻尾で

負の連鎖が断ち切れるかもしれないし。





たとえば私が、囮になって。







『無惨…、鬼舞辻 無惨と、

遭遇しました。



…一応、師範も一度遭遇しています。


浅草で私を助けてくれたあの人です』



それからは全てを話した。



鬼と戦っていたら、

突然現れたこと。


「迎えに来る」と言われたこと。





『…無惨は炭治郎くんと禰豆子ちゃん以外に

私を狙っています。


私、

囮になっても構いませんからね！

ご遠慮なく〜！』



お館様にもそう伝えてください、と

師範に笑いかける。



すると、また

さっきよりも強く

抱きしめられた。





宇「そういうこと、言うんじゃねーぞ。

お前が死んだら俺はどうなる。


もう少し、自身を

大切にしてくれ。



…俺は、お前がいねぇと

生きてけねーんだ」



涙をぎっと堪える。






死んでられない。



こんなに大切にしてくれてる人がいる。





師範、私の方こそ

貴方がいないと生きていけません。

師範、やっぱり私は。→←貴方、嘘でしょ？

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