海賊さん、私と世間話しませんか？【シャンクス】 (ページ6)

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5話ページ6

シャンクスside

｢おいベック、そんなピリピリすんなって｣

｢だがお頭、この状況じゃ気を張っておかない訳にはいかないだろう｣

｢何か悪いことしてるわけじゃねーんだ、向こうさんも何もしてこねぇよ。んなことより、メシ冷めちまう前に食おうぜ｣

｢……あぁ｣

自由行動としたあと、俺とベックは探索と視察を兼ねて共に街を歩き回った

本当は俺だけで行く予定だったんだが、｢アンタが何か面倒事を起こさないように見張り役は必要だ｣とかいってベックも付いてきた

今は途中で出会った店でメシを食べているんだが、ベックが眉間に皺を寄せて周辺を警戒しているのには訳がある

港で話があったように多くの人で賑わっている街の警備なのかは分からないが、武器を持った兵士がとにかく多い

｢それにしてもこの警戒は異常じゃねーか？何かあんのか？｣

｢なんだい、あんた達この国に来るのは初めてかい？｣

追加のお酒お待ち、と話しかけてきたのはこの店の人

見た目的に30代ぐらいで、海賊である俺たちを快く店に入れてくれた明るく元気な女性だ

｢実はついさっき着いたばっかりなんだ｣

｢今日はこの国にとってとてもめでたい日なんだよ｣

｢めでたい？国王の誕生日とかか？｣

｢違う違う！この国のお姫様がアタシ達のために姿を見せてくれる日なんだよ！｣

話を聞くと、なんでもこの国の姫様は年に1回街へ出てきて国民と話したり元気な姿を見せたりするらしい

国民にとって姫様はまさに理想で憧れの存在なんだとか

｢あの城の少し離れてるところに塔があるだろ？普段はあの最上階にお姫様はいるんだよ｣

｢ほぉー…だからこの警備なのか｣

｢もう少ししたら店の前の道をお姫様が通るはずだよ、折角なら見てくといいさ！｣

ごゆっくり！と店の人は行ってしまった

｢理想のお姫様、ねぇー…｣

その後、俺とベックはそのお姫様を一目見るためにしばらく店にいた

店の人が言ったとおり、店前の道を姫様は多くの兵士を引き連れて人々に笑顔で手を振り、時に話をしながら通った

街の人が大歓迎し大はしゃぎしている中

俺はなんとなく姫様が寂しがっているように見えた