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58話 ページ9

「湯殿借りたぞ」




「あ、はい!じゃあ私も入ってきます!」





足早に部屋を後にして湯殿に向かう




あれから勝手に父が話を進めていき、宇髄さんと同じ部屋で寝ることが決まってしまった




宇髄さんが湯殿に行っている間に部屋の掃除を済ませ、布団も敷いた





「はぁ…なんでこんなに緊張してるんだろう…」





今まで同じ部屋で寝たことはなくとも同じ屋根の下では寝ていたわけだからそんな緊張するほどのことではないだろう




実際宇髄さんは何ら変わりない





「今夜だけだから…平常心平常心…」





と言い聞かせていたが、心臓が口から出るんじゃないかというぐらいドキドキしていた




部屋に戻ると、宇髄さんは窓際に座ってお酒を片手に夜空を見ていた




湯殿のあとだから髪も下ろしていて休日モードだ




月明かりと相まって、美しさとかっこよさが倍増されているように感じた





「お、出てきたか」




「あ、はい」




「お前が湯殿へ行ったあと親父さんが酒を持ってきてくれてな」




「そうだったんですね…」





私はそっと宇髄さんの隣に座り、夜空に目をやる




今日は雲ひとつなく、星と月が綺麗に見えた





「綺麗ですね…」




「あぁ…そうだな」





しばらく二人で夜空を見ていたら、ふいに髪の毛が触られている感覚がする




驚いて顔を向けると私の髪を撫でる宇髄さんと目がパッチリ合う





「お前も派手に綺麗だな」




「!」





本当に宇髄さんはズルい人だ





「あ、ありがとうございます…」





赤い顔を見られないように下を向いて小さな声でお礼を言う




緊張もどっかいってしまった




たまにはこういう夜も悪くないと思った




翌朝になり、朝食と出発準備を済ませていよいよ出発だ





「お世話になりました」




「いえいえ、Aのことよろしくお願いします」




「はい」




「じゃあな、A。宇髄殿にあまり迷惑かけるんじゃないぞ」




「分かってるよ」




「………そんな泣きそうな顔するな、一生の別れじゃないんだ。またいつでも帰ってこい」




「うんっ!」





最後に宇髄さんが父に一礼してから私たちはその場を後にした

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向日葵(プロフ) - 徳門七渚さん» 徳門七渚さん、勿体ないお言葉…ありがとうございます!自分のペースで更新していきたいと思いますので、最後までお付き合い頂けると嬉しいです。 (2023年1月15日 7時) (レス) @page5 id: f6ff1cdc98 (このIDを非表示/違反報告)
徳門七渚(プロフ) - 言葉選びが上手でこんなに素晴らしい作品に出会えて嬉しいなと思いました。無理せず続けてくれると嬉しいです。 (2023年1月14日 4時) (レス) @page5 id: 94ece86ff9 (このIDを非表示/違反報告)
向日葵(プロフ) - あもさん» あもさん、ありがとうございます。しっかり休んでまた更新頑張ります! (2022年12月14日 7時) (レス) id: f6ff1cdc98 (このIDを非表示/違反報告)
あも(プロフ) - ゆっくりと無理をせず身体を休めてください。 (2022年12月10日 12時) (レス) @page4 id: 656bb5ebbb (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:向日葵 | 作成日時:2022年11月13日 22時

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