56話 ページ7
胸の奥がとても暖かく感じる
宇髄さんと出会う前までは感じることのなかったもの
私を待ってくれている人がいる
私も素直にならなくちゃ
「………帰ります。宇髄さんと奥様方が待つあの家に、帰ります」
「!!」
「わっ!!」
身体を引っ張られたと思ったら、宇髄さんの腕の中にいた
もう離さないと言わんばかりに力強く抱き締められる
私もそれに応えるかのように大きな背に腕を回して抱き締める
「ありがとうな、A」
耳元で小さく囁いた宇髄さんの声は少し震えていたが、それに気付かないふりをして伝わってくる温もりをしばらく感じた
しばらくしてからお互い腕の力を緩めて身体を離す
「うしっ!あとは親父さんに言わねぇとな」
「父なら夕方までには帰ってくると言ってました」
「そうか」
「そういえば、ご依頼のこの荷物は…?」
「あぁ、それはお前にだ」
「え?私に、ですか?」
「開けてみろ」
外で開けるのもあれだし、父が帰ってくるまでまだ時間がある
宇髄さんを家の中に招き入れて、丁寧に荷物の梱包を解いていく
中身は
「着物?」
鮮やかで派手な柄をした着物一式が入っていた
生地や細かいところまで作られている装飾からして、おそらくすごい値段の代物だろう
「嫁たちがお前にって職人に作らせたんだ。お前のことを考えて、かなり細かいところまで派手にこだわってたぞ」
「雛鶴さんたちが……」
本当に優しい奥様方だ
確かによく見ると雛鶴さん、まきをさん、須磨さんらしさがあるかもしれない
「大切にします!」
「お礼は屋敷に帰って直接言うといい」
「はい!」
宇髄さんとのんびりお話していたら、父が帰ってきた
「無事に解決したみたいだな」
「はい、おかげでAと話すことが出来ました。ありがとうございました」
「いえいえ、父親としてやるべきことをしただけですから」
父には私が宇髄さんたちのことで悩んでいたことなどバレバレだったみたいだ
隠し事はできないな、と改めて思った
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向日葵(プロフ) - 徳門七渚さん» 徳門七渚さん、勿体ないお言葉…ありがとうございます!自分のペースで更新していきたいと思いますので、最後までお付き合い頂けると嬉しいです。 (2023年1月15日 7時) (レス) @page5 id: f6ff1cdc98 (このIDを非表示/違反報告)
徳門七渚(プロフ) - 言葉選びが上手でこんなに素晴らしい作品に出会えて嬉しいなと思いました。無理せず続けてくれると嬉しいです。 (2023年1月14日 4時) (レス) @page5 id: 94ece86ff9 (このIDを非表示/違反報告)
向日葵(プロフ) - あもさん» あもさん、ありがとうございます。しっかり休んでまた更新頑張ります! (2022年12月14日 7時) (レス) id: f6ff1cdc98 (このIDを非表示/違反報告)
あも(プロフ) - ゆっくりと無理をせず身体を休めてください。 (2022年12月10日 12時) (レス) @page4 id: 656bb5ebbb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:向日葵 | 作成日時:2022年11月13日 22時