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54話 ページ5

「え、えっと…」




驚きで言葉が出てこない




会いたいけど、会いたくない




いつか会いに行かなくちゃと思ってたけど、行きたくないとも思ってた




あんなにモヤモヤしていたのにこんなにあっさり会ってしまうなんて





「どうした?俺の顔に何か付いてるか?」




「い、いえ……あ、荷物ですね!」





荷物を持ち上げて、宇隨さんの方へ差し出す




普通に接してくるから余計に緊張してしまう




もしかして呆れて私のことなんて忘れてしまったのか?それともものすごく怒っているとか?




いろんなことが頭の中に浮かび、荷物を持つ手が震える




宇髄さんの顔を見ることができず手元を見ていると、荷物に宇髄さんの手が伸びてくるのが見える





「あー、これこれ…ありがとうな」





伸びてきた宇髄さんの手は、荷物ではなく私の頭の上に置かれた





「ぇ」





声にならない言葉が口から漏れ、おそるおそる顔を上げる




宇髄さんは変わらず笑顔のまま





「…………っこの、阿呆!」




「あいたっ!」





思いっきり頭を叩かれた





「うーー………いたい……」




「まったく、お前って奴は!」




「う、宇髄さん?」




「おう。久しぶりだな、A」




「ど、どうしてここに?」




「お前の親父さんから文が届いたんだよ」





宇髄さんは胸元から文を出し見せてくる




そこには確かに父の文字で“宇髄天元様”と書かれている





「あのとき嫁からお前が遊郭にいたって聞いたが…それ以来何も連絡ねぇわ、帰ってくる気配はねぇわでどれだけ心配したと思ってんだ」




「ご、ごめんなさい…」




「そんなときこの文を貰ってお前がここにいるって分かった。お前の家族がどうなったのかもな」





もしかして今日私を荷物受け取り人としたのも…宇髄さんと会わせるために父がわざと…?





「このままだとお前は一生俺たちに何の連絡もなしに、二度と帰って来ない気がしてな」





宇髄さんは私の目をまっすぐ見て言う





「だから、迎えに来た」

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向日葵(プロフ) - 徳門七渚さん» 徳門七渚さん、勿体ないお言葉…ありがとうございます!自分のペースで更新していきたいと思いますので、最後までお付き合い頂けると嬉しいです。 (2023年1月15日 7時) (レス) @page5 id: f6ff1cdc98 (このIDを非表示/違反報告)
徳門七渚(プロフ) - 言葉選びが上手でこんなに素晴らしい作品に出会えて嬉しいなと思いました。無理せず続けてくれると嬉しいです。 (2023年1月14日 4時) (レス) @page5 id: 94ece86ff9 (このIDを非表示/違反報告)
向日葵(プロフ) - あもさん» あもさん、ありがとうございます。しっかり休んでまた更新頑張ります! (2022年12月14日 7時) (レス) id: f6ff1cdc98 (このIDを非表示/違反報告)
あも(プロフ) - ゆっくりと無理をせず身体を休めてください。 (2022年12月10日 12時) (レス) @page4 id: 656bb5ebbb (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:向日葵 | 作成日時:2022年11月13日 22時

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