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4話 ページ5

「そんなことは置いておいて、だ!お前に提案がある」





男の瞳が真っ直ぐ私に向けられる





「俺と一緒に来い」




「………は?」





この男は何を言っているのだろう





「任務中とはいえ、俺は偶然出会った死にそうな奴を放っておくような男じゃねぇ」




「目的は」





“一緒に来い” この言葉を言われるのは今まで何度目があった




その大半の目的は助けるためでなく、年齢がまだ若い私を拾って売るため





「目的も何もねぇよ。お前のことが放っておけねーて言ってんだろ」




「今までの人間もそうやって近づいてきた。自らがお金を手にするために」





もちろん私は売られる気は全くないので、反抗した




中には私を殺 してでも売ろうとする者さえいた




お金と自分しか見れていないなんと醜い人間なんだ、と心底思った




だから、きっとこの男も…





「…………俺をそんな奴らと一緒にするんじゃねーよ。そんなことするほど金に目がくらんでいねぇし、困ってもねぇ」




「…………」




「俺はお前を知らねぇし、お前も俺を知らねぇ。今信じろっていってもそう簡単には出来ないだろうよ…だから、自分の目で確かめろ」




「?」





男の言っている意味がよく分からなかった





「俺が今までお前に近づいてきた奴らとは違うっていうことを、お前自身の目で確かめてみろって言ってんだよ」




「!!」





そんなことを言われたのは初めてだった




そして、直感でこの人は信じてもいいと感じたのも




男の目が言っている




“俺を信じろ”と




私は言葉を発する代わりに首を縦に振った




「よし、そういえば名乗ってなかったな。俺は、宇髄天元だ」




「…………A」




「Aか…派手でいい名前じゃねーか。これからよろしくな」





そういって差し出された手を、恐る恐る握る




私とは真逆と言っていいほどのガッチリした手




なんでも受け止めてくれそうな暖かい手




人と触れる機会のない私は、恥ずかしさと緊張で手汗をかいた

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向日葵(プロフ) - 瑠璃さん» 瑠璃さん、コメントありがとうございます!成長しているということが読んで下さる方に伝わって嬉しい限りです…最後まで更新頑張ります! (2022年10月30日 22時) (レス) id: f6ff1cdc98 (このIDを非表示/違反報告)
向日葵(プロフ) - ひかさくさん» またまたコメントありがとうございます!終盤なのに話数が足りないので続編行きそうですw最後までお付き合い頂けると嬉しいです! (2022年10月30日 22時) (レス) id: f6ff1cdc98 (このIDを非表示/違反報告)
瑠璃 - だんだん成長していく夢主ちゃんが素敵です❗これからも読ませていただきます❗頑張ってください(*≧∀≦*) (2022年10月30日 18時) (レス) @page48 id: 6c259301f0 (このIDを非表示/違反報告)
ひかさく(プロフ) - 更新まってましたぁ!新しい話見れて嬉しいようで悲しいような…(終盤と書かれていたので)でも、しっかり夢主ちゃんを見届けます!続き楽しみにしてます〜! (2022年10月29日 19時) (レス) @page49 id: 20db8fb2a5 (このIDを非表示/違反報告)
彩豊(プロフ) - 向日葵さん» 作者様返信ありがとうございます✨もう終盤何ですか!?終わってしまうのは寂しいです。゚(゚´Д`゚)゚。期待してます☆彡 (2022年10月22日 23時) (レス) id: 72022c3b56 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:向日葵 | 作成日時:2022年2月16日 22時

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