私、音柱に拾われました【宇髄天元】

35話 ページ36

宇髄side



Aと他愛もない文面のみでの会話




気づいているのかは分からないが、Aの無事を確認する目的でやっている




もちろん、好きな女と話をしたいという別の気持ちもあるが




俺は変わらず任務に当たっている




嫁たちも鬼の情報を探るため潜入捜査をすることになった





｢そろそろ言わなきゃいけねーよな…｣





嫁たちについてはまだAに伝えていない




心配させたくないから、という3人からのお願いされたからだ




でも、そういうことは言って欲しい、とAはいうだろう




そんな中




Aからの文と同時に鎹鴉から耳を疑う内容が伝えられた




“煉獄杏寿郎が上弦の鬼との闘いで亡くなった” と





｢上弦の鬼には煉獄でさえ負けるのか…｣





ついに上弦の鬼が動き出した




煉獄でさえ負ける上弦の鬼の実力





｢派手に気合いを入れねぇとな｣





Aからの文の封を開ける




その内容には





『先日、煉獄さんと久しぶりにお会いしました！難しい任務だそうです。柱の方々は本当に難しい任務をなさっているですね…。今度、またお食事しよう！と誘ってくださいました。煉獄さんはとても優しい方ですね』




｢…………はぁ、最悪だ……｣





難しい任務というのが今回煉獄が命を落としたやつだろう




いつもなら “一緒に食事をする” という文に反応して嫉妬をするが、今回はそれよりも




煉獄が亡くなったということ、嫁たちが潜入捜査をすることになったこと




それらを同時にAに伝えなければならなくなった今の状況に嫌気がさす





｢こんなとき、傍にいてやれたらな｣





きっとこの事実を知ったらAは悲しむ




もしかしたら家族に会うという本来の目的を達成する気もなくなってしまうかもしれない




一番傍で肩を貸してやりたいときにそれができない





｢派手に情けねぇ｣





俺は虹丸に文を持たせ、またAのもとへ飛ばした

36話→←34話

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す