私、音柱に拾われました【宇髄天元】

17話 ページ18

｢雛鶴さん、洗い物終わりました｣




｢ありがとうAちゃん。こっちもあと少しで洗濯が終わりそう｣





その日、宇髄さんは任務で不在




まきをさんと須磨さんは鬼殺隊の用事で不在だった





｢今日、Aちゃんは町へ行くんだっけ？｣




｢はい、宇髄さんからあまり遠くへ行かなければ町へ行ってもいいと言われています｣




｢せっかく町へ行くんだから、ゆったりお昼美味しいもの食べてきたら？｣




｢え、でも…｣





まきをさんと須磨さんがお昼までに帰ってくるとは限らないし、長時間雛鶴さんに任せきりも良くない




フラっと買い物が終わったらすぐに帰る予定だった





｢私のことは気にしないで、せっかくのお出かけを楽しんできて｣




｢………じゃあ、お言葉に甘えて｣





雛鶴さんにお辞儀をしてから私は町へ向かった




お金は宇髄さんから




『これで町へ行って好きな物でも買ってこい』




と頂いたものがある





｢すごい…綺麗な生地…｣





なかなかに栄えている町で、見たこともないような物もたくさん売っていてあちらこちらと目移りしてしまう





｢お嬢さん、その生地が気に入ったのかい？｣





キラキラしていて綺麗な生地を見ていたら、お店の人っぽいおばあさんに話しかけられた





｢えっと……とても素敵な柄だなと…｣




｢そんなに気に入ったのならサービスでそれあげるよ｣




｢え！？｣





おばあさんの言葉に驚いて思わず大声を出してしまう




値段を見るとサービスで貰っていいような物ではなかった





｢いえ！きちんとお金払います！｣




｢お嬢さん、べっぴんさんだからきっとこの柄が似合うわ。いいから貰ってちょうだい｣





優しい笑顔で言われて断れない雰囲気になってしまった




私はしぶしぶ頷き、その生地を頂いた




その後もサービスされようとしたりしてお金を払うと言ってきちんと払ったり、そのまま流されて払わず貰ったりなどを繰り返しながら買い物を楽しんだ

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