53話 ページ4
「………なんの事ですか?」
「とぼけてもダメだ」
この時、私は直感した
おそらく宇髄さんにはどんだけとぼけてもダメだ、と
そして
煉獄さんに言えないから代わりに俺を頼れと言われている、と
「はぁ…」
私は持っていた箸を置いて、姿勢を正す
でも視線は宇髄さんの方を向かずに
「呼吸が……技が、使えないんです。煉獄さんと行った初めての実践の日以来、どれだけやっても使えないんです」
「屋敷の修行じゃ技を使うこともねぇから煉獄にはバレなかったわけだな」
「はい。煉獄さんは自分の時間を割いてまで修行してくれているのに、技が使えないなんて言えなくて…」
自分なりに原因を考えて、いろいろ試したが上手くいかなかった
「なるほどなー…原因に心当たりは?」
私はフルフルと首を横に振る
ふむ、と少し考えるような仕草をする宇髄さん
「……お前が毎日強くなるために修行してることは煉獄から聞いてたが、なんでそこまで力を欲する?」
「そ、それは…」
痛いところを突いてくるな音柱!
無限列車のことはいえないし…どうしよう…
「大方、お前の知ってるこの先の未来で煉獄に関する何かが起こるってところか?」
「!」
「図星か」
「……詳しくは言えませんけど、そういうことです」
「ま、別に無理に聞く気もねぇよ」
「…おそらく、やるべきことが終われば私はこの世界から消えると思います」
「そのやるべきことが煉獄に関することだと」
「確信はありませんが」
「お前が技を使えなくなったこととこの事は無関係じゃねーかもな。お前はこの世界の人間じゃない。少なからずその影響ってのはある可能性が高い」
「…………宇髄さんって頭いいんですね」
「おい、こら」
「いてててて!」
頬を思いっきり引っ張られる
「ま、俺も出来る限り協力してやるよ。煉獄に関わることなら本人には言いづらいだろうしな」
と、引っ張られていた手は離され代わりに頭に乗せられる
やることがいちいちイケメンだな、派手柱は
「ありがとうございます」
なんにせよ、この世界で相談できる人が出来たというのは私にとってとても嬉しいことだった
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向日葵(プロフ) - とうめいさん» とうめいさんコメントありがとうございます!最後まで読んで下さりありがとうございます!新作もお楽しみにです!笑 (2022年2月7日 0時) (レス) id: f6ff1cdc98 (このIDを非表示/違反報告)
向日葵(プロフ) - えのきさん» えのきさんコメントありがとうございます!嬉しいお言葉…そう言っていただけて嬉しいです…。 (2022年2月7日 0時) (レス) id: f6ff1cdc98 (このIDを非表示/違反報告)
向日葵(プロフ) - ゆきさん» ゆきさんコメントありがとうございます!嬉しい言葉…ありがとうございます! (2022年2月7日 0時) (レス) id: f6ff1cdc98 (このIDを非表示/違反報告)
とうめい - 完結おめでとうございます!!!毎日わくわくしながら最後まで読ませて頂きました!それと新作私も宇髄さんのやつがいいかな…と考えております…!新作も頑張ってください!! (2022年2月4日 19時) (レス) @page35 id: 4fdb593f0d (このIDを非表示/違反報告)
えのき(プロフ) - はじめまして。えのきといいます。トリップものが好きで、ずっと追わせていただいてました(*^^*)完結おめでとうございます!本当に素敵な作品をありがとうございました(*^^*) (2022年2月4日 15時) (レス) id: 9c3da7f4d0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:向日葵 | 作成日時:2021年10月20日 23時