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78話 ページ29

煉獄side



気がつけば今まで自分の腕の中にいたAは、まるで最初からそこにいなかったかのように消えていた




抱きしめるものが無くなった力の入っていない腕は、そのまま地面へと落ちていく





「れ、煉獄さん!Aさんがっ!」





後ろから竈門少年の焦っている声が聞こえた




目の前で人が消えたのだから当たり前だ




黄色い少年もやってきたタイミングで三人に向き合う





「竈門少年、猪頭少年、黄色い少年…Aについて話そう」





俺は三人にAに関して知っていることをすべて話した





「じゃあ…Aさんはもしかして…」





黄色い少年の言葉に頷く





「うむ…きっと、Aが帰るべき場所に帰ったんだ。A自身それに気づいていたようだがな」




「もう、会えないんですか…?」




「竈門少年、そんな顔をするな。生きていればたとえ遠く離れていても俺たちとAは繋がっている。忘れないかぎり、いつかきっとまた会えると俺は信じている」





しばらくすると、鎹鴉とともに隠が来てボロボロだった俺たちは蝶屋敷へと運ばれた




長く厳しい無限列車での闘いの幕が閉じた




俺は隠に運ばれる際もまだ残っているAのぬくもりを逃さないように強く手を握っていた





「そうですか…Aさんが…」





Aのことはすぐにお館様と柱に伝えられた




特に交流があった胡蝶や宇髄は寂しそうな顔をしていた





「Aさんのためにも早く元気にならないとですね、向こうで心配しないように」




「うむ、そうだな」





潰れた左目はもう戻らないが、内蔵や肋骨は胡蝶の治療と機能回復訓練で治ることが分かった




鬼との闘いはまだ終わっていない




お館様のご意向でこれからの鬼殺隊として、柱としての責務はどうするのかは怪我が完全に治ってからということになった





「……A………」





名前を呼んでも返事が返ってくることはもうない




いつも傍にいたはずのAがいなくなった俺の心は、何かポッと大きな穴があいた気分だった

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向日葵(プロフ) - とうめいさん» とうめいさんコメントありがとうございます!最後まで読んで下さりありがとうございます!新作もお楽しみにです!笑 (2022年2月7日 0時) (レス) id: f6ff1cdc98 (このIDを非表示/違反報告)
向日葵(プロフ) - えのきさん» えのきさんコメントありがとうございます!嬉しいお言葉…そう言っていただけて嬉しいです…。 (2022年2月7日 0時) (レス) id: f6ff1cdc98 (このIDを非表示/違反報告)
向日葵(プロフ) - ゆきさん» ゆきさんコメントありがとうございます!嬉しい言葉…ありがとうございます! (2022年2月7日 0時) (レス) id: f6ff1cdc98 (このIDを非表示/違反報告)
とうめい - 完結おめでとうございます!!!毎日わくわくしながら最後まで読ませて頂きました!それと新作私も宇髄さんのやつがいいかな…と考えております…!新作も頑張ってください!! (2022年2月4日 19時) (レス) @page35 id: 4fdb593f0d (このIDを非表示/違反報告)
えのき(プロフ) - はじめまして。えのきといいます。トリップものが好きで、ずっと追わせていただいてました(*^^*)完結おめでとうございます!本当に素敵な作品をありがとうございました(*^^*) (2022年2月4日 15時) (レス) id: 9c3da7f4d0 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:向日葵 | 作成日時:2021年10月20日 23時

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