74話 ページ25
煉獄さんが行ってしまったあと、私はしばらくその場から動くことが出来なかった
「うぅっ……っ……」
本当のことが話せないもどかしさと自分の不甲斐なさに涙が止まらない
これから上弦の参が来るということをいえたらどれだけ楽だろうか
煉獄さんも救いたいけど、乗客も助けたい
いろんな感情が頭の中をぐるぐると回っている
「………」
私は強く手を握り、涙を拭き刀を鞘に収める
「諦めるのはまだ早い。出来るだけはやく乗客を安全な場所に移動させてから煉獄さんの元に向かえば間に合うはず」
私は倒れている乗客に向かって
「大丈夫ですか!」
と、声をかけながら1人づつ列車から離れた所まで運んだ
もちろん、手当ても同時進行だ
急ぎつつ、丁寧に慎重に
「よし…これで最後の一人!」
途中で伊之助が手伝ってくれたおかげで早く終わった
原作通り、乗客は皆怪我をしているものの命に別所はない
「ありがとう伊之助、助かったよ」
「……俺をホワホワさせんじゃねー!」
「そんなことよりも急いで煉獄さんの…!!!」
瞬間、ものすごい気配が身体を支配する
全身の鳥肌が立つ感覚ですぐに分かった
“猗窩座”が来たということに
「あ、おい!!」
気がついたら私は走っていた
一秒でも早く煉獄さんの元へ
「はぁっ!……はぁっ!…」
後ろから伊之助も着いてきて、二人で煉獄さんと炭治郎の待つところへ向かった
ようやく炭治郎の背中が見え、その奥で激しい音と共に猗窩座と煉獄さんが戦っていた
「この素晴らしい剣技も失われていくのだ!杏寿郎!悲しくはないのか!」
「誰もがそうだ!人間なら当然のことだ!」
私と炭治郎、伊之助が動こうとしたら
「動くな!傷が開いたら致命傷になるぞ!待機命令!」
と、強く言われ私たちは動けなくなったしまう
いや、それだけではない
生で見る上弦の強さは凄まじく、とても自分では敵わないと本能が感じているから余計に動けなかった
「っ……」
伊之助が感じていたように間合いに入れば“死”しかないのを肌で感じた
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向日葵(プロフ) - とうめいさん» とうめいさんコメントありがとうございます!最後まで読んで下さりありがとうございます!新作もお楽しみにです!笑 (2022年2月7日 0時) (レス) id: f6ff1cdc98 (このIDを非表示/違反報告)
向日葵(プロフ) - えのきさん» えのきさんコメントありがとうございます!嬉しいお言葉…そう言っていただけて嬉しいです…。 (2022年2月7日 0時) (レス) id: f6ff1cdc98 (このIDを非表示/違反報告)
向日葵(プロフ) - ゆきさん» ゆきさんコメントありがとうございます!嬉しい言葉…ありがとうございます! (2022年2月7日 0時) (レス) id: f6ff1cdc98 (このIDを非表示/違反報告)
とうめい - 完結おめでとうございます!!!毎日わくわくしながら最後まで読ませて頂きました!それと新作私も宇髄さんのやつがいいかな…と考えております…!新作も頑張ってください!! (2022年2月4日 19時) (レス) @page35 id: 4fdb593f0d (このIDを非表示/違反報告)
えのき(プロフ) - はじめまして。えのきといいます。トリップものが好きで、ずっと追わせていただいてました(*^^*)完結おめでとうございます!本当に素敵な作品をありがとうございました(*^^*) (2022年2月4日 15時) (レス) id: 9c3da7f4d0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:向日葵 | 作成日時:2021年10月20日 23時