炎柱に告白されたんですけど【煉獄杏寿郎】

73話 ページ24

｢……！……A！｣




｢！！｣





煉獄さんの呼ぶ声が聞こえて飛び起きると、目の前に日輪刀を持った煉獄さんが私のことを心配そうに覗き込んでいた





｢起きたか！A！｣





周りを見回すともうすでに魘夢は列車と融合したあとで車内はもはや元の原型がない




どうやら理想のタイミングで起きることができたようだ





｢A、起きて早々で悪いが簡潔に話す！今、竈門少年と猪頭少年が鬼の首を斬りに行っている。前方の三両は黄色い少年と竈門妹が守っている、後方の五両を俺たちで守るぞ！｣





よかった…きちんと原作通りに進んでいる





｢やれるか？｣




｢はい！｣





それから煉獄さんと連携しながら乗客を守った




しばらくすると





｢ぎゃああああ！！！｣





断末魔と共に列車が大きく傾く




炭治郎たちが魘夢の首を斬ったんだ





｢うわっ！｣





すごい揺れでバランスが取れない





｢A！｣




｢煉獄さん！？｣





気がつけば煉獄さんが私を庇うように抱きしめていた




そのままものすごい衝撃と共に列車は横転し、しばらくしようやく止まった





｢うっ…｣




｢大丈夫か？｣





恐る恐る目を開けると目の前には煉獄さんの胸が広がっていた




どうやら横転寸前で煉獄さんが私を庇ってくれたようだ





｢す、すみません！大丈夫ですか！？｣




｢うむ、俺は問題ない！Aに怪我が無くて良かった！｣





身体を起こし、周りをみると怪我をしている乗客が何人かいるのが確認できた





｢俺は竈門少年のところへ行ってくる。Aは乗客を救助を頼む｣




｢！！｣






と、行こうとする煉獄さんの隊服を思わず掴む





｢A？｣




｢わ、私も行きます！竈門くんのところへ！｣




｢ど、どうした？｣




｢私も行かせてください！｣





必死にそういう私に煉獄さんは戸惑っていた




でも、ここで付いて行かなければ煉獄さんを救うことができない





｢竈門少年が鬼の首を斬った、もう大丈夫だ。すぐに戻ってくる！それまでここを、乗客を頼む！｣





違う、違うんです




鬼はまだ…





｢私はっ！｣





私のいうことを遮るように煉獄さんの暖かい手が私の頭に乗る




煉獄さんは優しくて柔らかい笑顔をした後、すごい速さで行ってしまった

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