72話 ページ23
「ありがとうございます、煉獄さん。そう言って貰えてとても嬉しいです」
「そうか!」
「でもごめんなさい…その気持ちに応えることはできません。だって、応えてしまったら私はこの夢から覚めたくなくなるから。ここにいる煉獄さんも、現実にいる煉獄さんもどっちも大切なのに…どちらかしか選べないなんてつらいです」
泣きそうになるのをグッと我慢して私は言葉を続ける
「そんな時、私思ったんです。きっと煉獄さんならAの信じる道を行け、そう言ってくれるだろうって」
それが、私の知っている煉獄杏寿郎だから
「……ふっ、Aらしいな。それでこそ俺が好きになったAだ」
黙って私の話を聞いてくれていた煉獄さんは優しく微笑み、私の手を引っ張って立たせる
「れ、煉獄さん?」
突然すぎてびっくりしていると
「行ってこい、A!」
と、私の背中を強く押して送り出してくれた
「!」
敵が見せている夢の中でもやっぱり煉獄さんは煉獄さんだった
その強く優しい気持ちを噛み締めながら、後ろを振り返ることなく私は駆け出した
「はぁ…はぁっ…」
しばらく走ると辺りは木で囲まれている場所にきた
「やっぱり私の精神の核を壊そうとする人はいないっぽいな…」
これは事前に予想していた通りだ
「あとは起きるタイミングだけ間違えなければ」
いろいろ考えた結果、一番原作に干渉しないタイミングは“魘夢が列車と一体化し煉獄さんが起きたころ”という結論に至った
しかし、もちろん現実世界の状況など分からないのでカンでいくしかない
「……よし!」
膝立ちし、刀を首に当てる
呼吸を整えその時を待つこと数十分
「!」
何かに身体が反応したのと同時に覚醒のために自決した
それと同時に光に包まれ、意識が遠のいていった
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向日葵(プロフ) - とうめいさん» とうめいさんコメントありがとうございます!最後まで読んで下さりありがとうございます!新作もお楽しみにです!笑 (2022年2月7日 0時) (レス) id: f6ff1cdc98 (このIDを非表示/違反報告)
向日葵(プロフ) - えのきさん» えのきさんコメントありがとうございます!嬉しいお言葉…そう言っていただけて嬉しいです…。 (2022年2月7日 0時) (レス) id: f6ff1cdc98 (このIDを非表示/違反報告)
向日葵(プロフ) - ゆきさん» ゆきさんコメントありがとうございます!嬉しい言葉…ありがとうございます! (2022年2月7日 0時) (レス) id: f6ff1cdc98 (このIDを非表示/違反報告)
とうめい - 完結おめでとうございます!!!毎日わくわくしながら最後まで読ませて頂きました!それと新作私も宇髄さんのやつがいいかな…と考えております…!新作も頑張ってください!! (2022年2月4日 19時) (レス) @page35 id: 4fdb593f0d (このIDを非表示/違反報告)
えのき(プロフ) - はじめまして。えのきといいます。トリップものが好きで、ずっと追わせていただいてました(*^^*)完結おめでとうございます!本当に素敵な作品をありがとうございました(*^^*) (2022年2月4日 15時) (レス) id: 9c3da7f4d0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:向日葵 | 作成日時:2021年10月20日 23時