52話 ページ3
それから数週間が経った
あの日以来、槇寿郎さんはたまに部屋から出てきてくれるようになった
この間、煉獄さんや千寿郎くんと話している姿をみて泣いてしまったのは内緒だ
「おい、飯…美味かったぞ」
「あ、ありがとうございます」
千寿郎くんに教えて貰っているおかげで料理の腕もあがっていき、槇寿郎さん直々にお礼をいってくれることも多くなってきた
ようやく、煉獄家に受け入れられた感じがしてとても幸せだ
………そして今
私は、音柱こと宇髄天元とお昼ご飯を食べに町へきていた
「……で、なんの用ですか?」
「んな怖い顔すんなよ」
「煉獄さんがいないことをいい事に、いきなり他人の家にやってきた誘 拐犯にどんな顔をしろと?」
それは午前中のこと
煉獄さんは任務で出かけていて、一人で修行をしていた所に突然やってきてそのままここに連れてこられた
「悪ぃっつってんだろ?だから、飯奢ってやってるじゃねぇか」
「ほいひいでふ」
煉獄さんもそうだけど、柱は太っ腹なのではないかと最近気づいた
「で、本題なんだけどな」
一息ついて、宇髄さんは口を開く
「お前、煉獄とどうなんだよ?」
「…………はい?」
「年頃の男女が同じ屋根の下にいるんだぞ?なんかねぇのかって聞いてんだよ」
「…………」
おそらく宇髄さんは恋愛的なことがないのか、と聞いているんだろうとすぐ理解できた
わざわざこんなことを聞くために攫ったのか、この柱は
「何もないですよ。一応師匠と弟子の関係だし、宇髄さんが期待してるようなことはまったく。それに、屋根の下には煉獄さんのお父さんや千寿郎くんもいるんですよ?」
「お前、恋とかしたことあるのか?」
「んーー…最後にしたのはいつだったかなー」
幼稚園とか小学生を最後に、私は推ししか目に入ってなかった
「………ふーん………煉獄も大変そうだな」
最後の言葉は声が小さくてよく聞こえなかった
「煉獄さんがどうかしましたか?」
「なんでもねぇよ」
「お話はそれだけですか?」
「…………A、何か悩んでんだろ」
「!」
その言葉に私は動かしていた箸を止めた
そして宇髄さんをみると、さっきまでとは全然違うとても真剣な顔をしていた
「煉獄にも言えない悩みが」
その瞳は、すべてを見透かされているように感じた
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向日葵(プロフ) - とうめいさん» とうめいさんコメントありがとうございます!最後まで読んで下さりありがとうございます!新作もお楽しみにです!笑 (2022年2月7日 0時) (レス) id: f6ff1cdc98 (このIDを非表示/違反報告)
向日葵(プロフ) - えのきさん» えのきさんコメントありがとうございます!嬉しいお言葉…そう言っていただけて嬉しいです…。 (2022年2月7日 0時) (レス) id: f6ff1cdc98 (このIDを非表示/違反報告)
向日葵(プロフ) - ゆきさん» ゆきさんコメントありがとうございます!嬉しい言葉…ありがとうございます! (2022年2月7日 0時) (レス) id: f6ff1cdc98 (このIDを非表示/違反報告)
とうめい - 完結おめでとうございます!!!毎日わくわくしながら最後まで読ませて頂きました!それと新作私も宇髄さんのやつがいいかな…と考えております…!新作も頑張ってください!! (2022年2月4日 19時) (レス) @page35 id: 4fdb593f0d (このIDを非表示/違反報告)
えのき(プロフ) - はじめまして。えのきといいます。トリップものが好きで、ずっと追わせていただいてました(*^^*)完結おめでとうございます!本当に素敵な作品をありがとうございました(*^^*) (2022年2月4日 15時) (レス) id: 9c3da7f4d0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:向日葵 | 作成日時:2021年10月20日 23時