48話 ページ49
「ここです」
「……っ…」
部屋の前に立つとなんだか緊張してきた
扉にかける手が震えてるのが分かる
「Aさん、大丈夫ですか…?」
「う、うん!大丈夫!………失礼します」
深呼吸をしてから扉を開け、中に入る
そこには映画で見たときのような格好の槇寿郎さんがいた
私は静かに扉を閉める
「誰だ」
低い圧を感じる声
さすが、元炎柱といえる風格だ
「れんご…杏寿郎さんから呼吸を教わっております、上条Aです。挨拶が遅くなり、すみません」
いつも通り‘’煉獄さん‘’っていおうとしてしまった…この家にいるのは全員煉獄さんなのに!
「あいつの弟子が俺になんの用だ」
「………人生は一度きり、後悔してからでは遅いです。私はきちんと杏寿郎さんや千寿郎くんと向き合って欲しいと思っています」
私が槇寿郎さんと会いたかった理由は二つある
一つは、弟子としてきちんと挨拶をしたかった
そしてもう一つは、無限列車までに槇寿郎さんが前を向けるようになって欲しかったから
原作で槇寿郎さんが泣いているシーンをみて、とても心が痛かった
もちろん、煉獄さんは私が助ける
でもその前にきちんと自分自身で向き合って欲しい……せめて、この世界では
「瑠火さんが亡くなってつらいのは分かります。でも、今のままの状態を瑠火さんは望んでいないと思います」
「知ったような口を聞くな」
「鬼殺隊はいつ命を落とすか分からない。元炎柱の槇寿郎さんなら分かっているはずです」
「黙れ!」
槇寿郎さんが投げたお酒が私にかかる
頭から被り、ポタポタと髪の毛から垂れてくる
でも
「!」
私はやっとこっちを向いてくれた槇寿郎さんの目を真っ直ぐ見つめた
「私は、お父さんに後悔してほしくありません!」
私は泣きそうになっていた。
煉獄さんの訃報を知らされた千寿郎くんや部屋に一人でいた槇寿郎さん
どれだけつらかっただろうか。
「………っ…失礼します」
私は槇寿郎さんの言葉が発せされる前にその場を後にしたかった
入ってきた扉を開けると
「!れ、煉獄さん…」
いつの間に帰ってきたのか、煉獄さんがそこに立っていた
「A…」
「………すみません」
さっきの話を聞かれていただろうか
今は煉獄さんと合わせる顔がない
私は足早に部屋へ向かった
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向日葵(プロフ) - 葵さん» 葵さん、ありがとうございます!映り方は偶然なんですよ…笑嬉しい言葉!ありがとうございます!! (2021年10月23日 21時) (レス) id: f6ff1cdc98 (このIDを非表示/違反報告)
葵 - 次の小説の移り方がとても凄かったです!それに、物語も違和感無いしとても読みやすかったです! (2021年10月23日 16時) (レス) @page50 id: 6b19049b00 (このIDを非表示/違反報告)
向日葵(プロフ) - イオさん» イオさん、ありがとうございます!!更新頑張ります! (2021年10月17日 21時) (レス) id: f6ff1cdc98 (このIDを非表示/違反報告)
イオ(プロフ) - 煉獄さんと夢主ちゃん幸せになって欲しいです😭続き楽しみにしてます!!更新頑張って下さい✨応援してます!! (2021年10月17日 15時) (レス) id: 750e30c04d (このIDを非表示/違反報告)
向日葵(プロフ) - Riiさん» いえいえ!いつ視点を変えようか迷ってました…遅くなってすみません。。 (2021年9月1日 23時) (レス) id: f6ff1cdc98 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:向日葵 | 作成日時:2021年7月6日 23時