炎柱の妻は呪われている【煉獄杏寿郎】

29話 ページ31

過去編 煉獄side



俺が鴉から知らせを受けたのは己の任務が終わった直後だった




Aが意識不明の状態




そして




左半分が鬼となっている




最初は信じられなかった




つい数時間前までは普通に笑って、俺と話していたAがそんなことになるなんて





｢A！！｣





蝶屋敷の扉を勢いよく開けると、中には胡蝶とベッドの上で眠っているAがいた





｢煉獄さん｣




｢胡蝶！！Aは！！無事なのか！！｣




｢怪我は大したものではありませんでした。ですが、Aさんの左半身はもう……｣




｢！！｣





Aをよく見ると、手足は拘束されている




爪が伸び、頭からは鬼のような角も生えている





｢人間に寄生する血鬼術を使う鬼のようです。Aさん自身が首は斬ったようですが、戻らないところをみるとこの左半身にも鬼の首と一致するところがあるようです。｣




｢つまり、Aを人間に戻すには……｣




｢Aさんごと、鬼を斬らなければなりません｣





俺たちは絶望の淵へと立たされた




愛する人を助けるためには、愛する人を斬らなければならない





｢俺はAを斬ることなどできない。俺はいかなる理由があろうと、愛する者を傷つけない。｣




｢探しましょう、Aさんを助ける方法を｣




｢すまないな、胡蝶｣




｢私もAさんには柱になって欲しいので｣

30話→←28話

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す