キメツ学園の補習授業【煉獄杏寿郎】 (ページ49)

今日:8 hit、昨日:0 hit、合計:49,594 hit

47話ページ49

それから私はサラのために行動した

ロスで活動している時は、サラの話をするようにし

デュエットで活動している時は、サラに注目が集まるように

それは決してわざとではなく

本当に私がサラのことを応援し、尊敬しているからだ

……………でも

この行動でサラは私のことがどんどん憎くなっていき

『ロスがサラをいじめている』

という噂がどこからか流れ、広がっていった

「まさかロスがそんなことするなんてなー」

「オレも、オレも！最初はデマだと思ったけど、サラ自身が言ってるし！」

教室から聞こえてくる会話が耳に入る

「…………Aさん…」

｢どうしたの？しのぶちゃん｣

こんな噂が流れ始めてから、しのぶちゃんや宇髄先生、煉獄先生までもが心配してくれた

私がそんなことするはずないと、信じてくれている

｢大丈夫ですか？｣

｢大丈夫だよ…芸能界にいる限りこういうことは避けては通れないし…｣

｢しかし……｣

｢仕事、行ってくるね！｣

仕事場でも私のことを嫌な顔で見る人が多くなった

それでもテレビ番組とかで歌い続けた

負けたくない

これで引退すれば、逃げることになるから

｢それではロスさんどうぞ！｣

｢はい！｣

幕が上がり、観客席が目に入る

｢！｣

今までサイリウムを振ってくれる人がたくさんいたそこには、誰一人としていなかった

～♪

｢………っ……｣

すでに曲が流れているのに、声が出ない

｢…………｣

私は、歌手でいていいのかな

私の歌を聞いてくれる人がいないのに

私は、その日から歌えなくなった