自分らしくない恋 (ページ3)

今日:1 hit、昨日:2 hit、合計:15,147 hit

3 ページ3

ある日、ボクはいつも通り公園でスケッチブックに風景を描いた。

ボクは絵を描くのがすきだ。

家族みんなも、上手だって言ってくれる。

ボクは木の下の影で昨日途中だった絵を描く。

「マリアー帰るぞー」

聞き覚えのある声。

『石田…！？』

小さな声で呟いた。

誰もいないと思ったのに。

すぐ、近くにいる。

今すぐ隠れるか

「あれ、君は西宮といた…」

『A』

「A、くんは西宮の元カレとか…？」

『は、何で』

くん、付けはまぁ慣れてるけど

「結絃くんが西宮の彼氏だからかな」

『ふーん…まぁ、違うね』

「そ、そうなんだ。てっきり…」

姉さんのこと好きなのかな？

『元カレと思っとくのが簡単』

こいつとは関わりたくない。

『と言うかなんで、ここに？学校は』

「1週間の停学処分で」

「じゃあ、マリアもいるし帰るわ」

あぁ、帰っとけ。

そう心の中で毒つきながら。

小さな子が手を振った。

『……可愛い』

ボクもその女の子に手をふった。

見送って少ししてから、絵の続きを描いた。

あいつ、案外根は優しいんだろうな。

なんだろ、胸がむかむかする。

『病気、かな？』

苦しくて、思わずシャツを握った。