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ふぅん。真冬君じゃあ、佰には敵わなかったか。
にこにこと胡散臭い笑いを振り撒いている佰と、相変わらず眠たそうにしている彼方先輩。
『厄介だなぁ』
舌打ちと共に漏らすと隣の彼にビクつかれた。これくらいで驚かないで欲しいけど。
そ「どうするの?僕等と対等に戦えるのは君ぐらいだけど。まだやるの?」
佰「僕個人としては本気を出したAとやり合いたいけど、君じゃお荷物になるからね」
確かにこのままじゃ負けるだろう。
うーん、と頭を悩ませつつ、ちらりと真冬君の方に目線を向ける。
『ねぇ、真冬君。そらるさんの相手少しだけで良いから足止めできる?』
ま「へ?あ、や、出来るけど。佰先輩とやれるの?」
心配そうに聞いてくる彼ににこりと笑いかけ、『大丈夫』とだけ返す。
そ「……膠着状態はやだからもう動くよ」
面倒くさそうに呟いたかと思うと、こちらに向かってくる彼方先輩。
『任せましたよー……』
ま「はいっ!」
空回りしそうな勢いで返事を返したかと思うと、走って行ってしまう真冬君。返事みたいに空回りしないで欲しいけど。
佰「何?僕に対抗できる策あるの?」
『うん。』
そっか、と呟いて手のひらを向けて空気を操る佰。でもさ。
肝心の気体が無ければ意味ないよね?
弓矢と剱を本に戻し、消す。そしてまた、新しい本を取り出す。
『佰物語、肆ノ章、玖話目、“自然”』
今度は、深緑色の本が出てくる。
これ、双子の弟の方の異能のパクらせて貰ったやつである。使い勝手が良くてコピーさせて貰った。
本を握りしめると手の中で消えて、代わりに僕の左目が、同じ深緑色になった。
飛んできた空気の塊を避けて、佰と同じ様に手のひらを翳す。
そうしてから、ぎゅっと手を握りこむと。
佰「……っあれ、操れる空気が少ない……?」
困惑したような声が聞こえる。
真冬君ももうそろそろきつそうだし、ネタバラシ。
『あのね、佰の周りを真空で覆ったんだよ。一応まだその中に酸素はあると思うけど、いつ無くなるかは分からないよ?』
佰「は……!?」
要はさっさと降伏しろって言ってんの。
『取り敢えず佰は無力化したし、次は彼方先輩かぁ。』
彼方先輩とは光陰使った方が速いが、今取り替えると今の本の効果である真空が無くなり佰が戦えるようになるし、他の本を取り出して違う能力使うのも出来るがやりたくない。
あーもー
『面倒くせぇな。』
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星月_hosituki_ - え、もう本当に好きです!神様ぁ〜!これからも応援します!更新、無理なさらずに頑張ってください! (2020年5月13日 12時) (レス) id: d71fa0da5d (このIDを非表示/違反報告)
よにん - あ…好きです(突然の告白)面白かったです!応援しています! (2020年5月13日 0時) (レス) id: c1827a7d57 (このIDを非表示/違反報告)
あんり - え、めっちゃ好きです...更新無理のないように頑張ってください! (2020年3月25日 21時) (レス) id: 4620368618 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:花札 | 作成日時:2020年3月8日 14時