明らかな変化の理由 /rt ページ10
.
「あっ、Aちゃん！移動教室？」
「はい、レトルト先輩もですか？」
「そー。体育」と笑ったこの人は最近よく話すようになったレトルト先輩だった。
ニコニコと手を振って去っていく後ろ姿を見ながら呟く。
「...あの人、壁システムどこいったんだ」
何も最初からあんなほんわか笑顔を見せるような人だったわけじゃない。
なんならつい一週間前なんかはほとんど笑顔も見せなかったし話しかけてくることも滅多になかった。
それが嫌われてるわけじゃないのはもちろん分かっていたから特に何も思っていなかったけど...。
こんなに急にフレンドリーになるなんて、どんな心境の変化だろうか。
...まあ考えたって仕方ないか、と思い直してまた歩き出した。
「そういえばA、あの先輩と仲良いんだっけ？すごいね」
「レトルト先輩？まあ、それなりに話すけど...すごいって何が？」
昼食をいつも一緒に食べる友人の視線の先には中庭でご飯を食べてるレトルト先輩がいた。
他の人と楽しそうに話している笑顔は私と話してる時よりもいくらか幼く見える。
友人の言葉に首を傾げると何故か少し興奮した様子でマシンガントークを始められた。
「だってあのレトルト先輩だよ！？親しくない人との壁がものすごーく厚くて、普通に話せるようになるまでとっても時間がかかると噂のレトルト先輩！！笑顔が見れたらその日の運は使い果たしたも同然！！何でも一部のファンの間では"氷の王子"なんて呼ばれて＿＿」
「氷の王子？何それだっさ...。っていうかあの人ファンなんているの...」
いつまで続くか分からない言葉を遮って眉を顰めて中庭にいるレトルト先輩を見下ろす。
たまたま目が合ったと思えば笑顔付きでひらひらと手を振ってくれた。
...氷の王子の笑顔見ちゃったけど。
やっぱり噂は噂でしかないな、と手を振り返した。
.
明らかな変化の理由 /rt→←あまちゃんには敵わない /ky
ラッキーカラー
あずきいろ
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 135人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「キヨ」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ユシア(プロフ) - (^ω^≡^ω^)さん» rtrtさんのお話気に入っていただけたでしょうか...？これからも見てくだされば幸いです (2020年9月13日 10時) (
レス) id: fc67472b4e (このIDを非表示/違反報告)
(^ω^≡^ω^) - うわお。レトさんうわお。 (2020年9月12日 6時) (レス) id: f0a83a5353 (このIDを非表示/違反報告)
ユシア(プロフ) - あたさん» こちらこそそう言っていただけると大変嬉しいです！ありがとうございます！！ (2020年8月13日 8時) (レス) id: fc67472b4e (このIDを非表示/違反報告)
あた(プロフ) - わ〜〜〜〜…！とてもときめきました、ありがとうございます…！ (2020年8月12日 23時) (レス) id: 374aa04e67 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ユシア | 作成日時：2020年8月8日 18時
