紙に書かれた好きの文字 /ky ページ6
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友達と昼飯を食い終わって教室に戻ると、珍しくAが自分の席を立っていた。
...いや、そりゃあ立ち上がることもあるか。
そんなことを考えながらAを見てると珍しく人に話しかけようとしていた。
しかもそれは男子で、何となくモヤモヤして足早にAの元まで向かって肩を掴んだ。
「あれ、どうしたのキヨ？」
「いや...何か...困ってんのかなって」
完全に適当な理由だったけど、Aはパッと顔を綻ばせて俺の手をとった。
また目が輝いていて、思わず目を逸らす。
そんな俺に構わず明るい口調でAは俺の手をぶんぶんと振った。
「実は消しゴム失くしちゃったみたいでね...誰かに借りようと思ったの」
視線の先のAの机には日誌が置かれていて、どうしても消しゴムが必要だったらしい。
普段人に話しかけない癖に意外と行動力もあるんだとぼんやり思いながらそれを見ていると1行にも満たない分しか書かれていないことに気付く。
でもサッとAに隠されてしまい読めなかった。
「俺に言えば良かったじゃん」
「でもいなかったからさ。......っていうか、もしかしてキヨさ」
子供っぽく口を尖らせて言う俺にAは数秒考えるようにして俺の目をじっと見てきた。
また逸らしても、追いかけるように見てくる。
それを繰り返してるうちにAが大きめの爆弾を落としてくれた。
「私のこと好きなの？」
「はっ！？」
声はからかってるようなのに顔は真剣で、何と返せばいいか分からなくて困惑する。
俺が、Aのことを、好き？
......ああ、でもそれはしっくりくるかもしんねぇ。
「...どっちかと言うと、好きかな」
「じゃあ付き合う？」
濁して言った俺を追い詰めるように笑ったAにクソ、と思ったけどその姿さえも可愛かった。
俺以外にそんなグイグイいくなよ、何て思ったのはもはや独占欲で間違いない。
...誰だよ、こいつを地味だなんて言ったのは。
長い前髪から覗く悪戯な瞳と、目が合った。
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ユシア(プロフ) - (^ω^≡^ω^)さん» rtrtさんのお話気に入っていただけたでしょうか...？これからも見てくだされば幸いです (2020年9月13日 10時) (
レス) id: fc67472b4e (このIDを非表示/違反報告)
(^ω^≡^ω^) - うわお。レトさんうわお。 (2020年9月12日 6時) (レス) id: f0a83a5353 (このIDを非表示/違反報告)
ユシア(プロフ) - あたさん» こちらこそそう言っていただけると大変嬉しいです！ありがとうございます！！ (2020年8月13日 8時) (レス) id: fc67472b4e (このIDを非表示/違反報告)
あた(プロフ) - わ〜〜〜〜…！とてもときめきました、ありがとうございます…！ (2020年8月12日 23時) (レス) id: 374aa04e67 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ユシア | 作成日時：2020年8月8日 18時
