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一番会いたい好きな人 /rt ページ48

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「...レトルトも、今帰り?」



無理に口角を上げて笑う。

今の言葉を聞かれてたらどうしよう、とか今日弓道部休みだって友達から聞いたのに、とかそんな事が頭を回っていた。



「あー...まあ、そう」



やけに歯切れの悪いのが気になりながらも、視線を彷徨わせるレトルトに声をかけた。



「今日部活休みじゃないの?」

「そうなんやけど、キヨ君待ってたらこんな時間になってもて...」

「...あれ、それでキヨはいないの?」



私の疑問にまたレトルトは視線を彷徨わせた。

心なしか諦めのような顔をしているようにも見える。




「Aちゃんは、キヨ君のこと好きなん?」



ドクンと心臓が嫌な鳴り方をした。

違う、と言いたいのに喉が渇き切って声が出なかった。

待って、違う、レトルトにだけは勘違いされたくないのに。

無言を肯定と受け取られたのかレトルトは「なんや、嘘やんか」と呟いて、...自惚れでなければ少し悲しそうに眉を下げた。



「...ごめん、変なこと聞いて。......俺もう帰るな」



...嫌だ。

私の横をさっと通り過ぎようとするレトルトの裾を、震える手で掴んだ。



「......レトルトが好き」



手を離してしまいそうだった。
でも、そうしたら全て終わってしまいそうな気がして。

蚊の鳴くような声だったけどこの距離ならきっと届いている。

永遠にも感じる時間の中、寒さは感じなかった。
ただ心臓は今にも張り裂けそうになるほど鳴り続けていた。

何も言われない、それが怖い。
もう...離しちゃおうかな、そう思った時にレトルトが振り返った。

眉を下げたまま、でも目に涙を溜めて少し口角を上げた。



「...本気にするで?」

「...うん」



きっと私達を会わせてくれたのだろう陰の立役者に感謝をしてレトルトの手を取る。

会いに来てくれなかったら、勘違いされたままだった上に告白なんてしていなかった。
それはどうしようもなく悲しかった。

でも、今目の前にいるのは紛れもないレトルトで、弱虫な告白もしっかりと届いていた。

それだけで、幸せだった。


抱きしめたレトルトの体はやけに熱い気がした。

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ユシア(プロフ) - (^ω^≡^ω^)さん» rtrtさんのお話気に入っていただけたでしょうか...?これからも見てくだされば幸いです (2020年9月13日 10時) (レス) id: fc67472b4e (このIDを非表示/違反報告)
(^ω^≡^ω^) - うわお。レトさんうわお。 (2020年9月12日 6時) (レス) id: f0a83a5353 (このIDを非表示/違反報告)
ユシア(プロフ) - あたさん» こちらこそそう言っていただけると大変嬉しいです!ありがとうございます!! (2020年8月13日 8時) (レス) id: fc67472b4e (このIDを非表示/違反報告)
あた(プロフ) - わ〜〜〜〜…!とてもときめきました、ありがとうございます…! (2020年8月12日 23時) (レス) id: 374aa04e67 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ユシア | 作成日時:2020年8月8日 18時

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