再会したなら嘘はもう /ky ページ46
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ぼんやりと街灯に照らされただけの暗い夜道を帰る。
仕事終わりに後輩と飲みに行ったせいでいつもの倍疲れていた。
そんな時は、好物のアイスを食べるに限る。
丁度コンビニが見えてきて少し気分が上がると、中から人が出てきた。
特に気にせず横を通り過ぎると急に腕が掴まれる。
「...A...？」
「へっ...何で名前......あれ、キヨ？」
感動の再会だと言うのに私は仕事と飲みでクタクタだしキヨなんかジャージだった。
しかも場所がコンビニの前、ムードもありやしない。
でもそれが私達らしくて、ドラマチックの欠片もないことにどちらともなく笑い出した。
「...ちょっと、話したいんだけど」
それに頷いてついて行った先は近くの公園だった。
並んでベンチに座って数分、何から話せばいいか分からなくて黙り込んでいるとキヨから話し始めた。
話し出したら止まらないもので、高校時代の思い出を語り合う。
あの頃は全部が輝いて見えて、毎日が楽しかった。
久しぶりにお腹を抱えて笑って、話して、また笑って。
それを繰り返しても話が尽きないのが本当に心地よかった。
でも急に、キヨが口を止める。
「...俺、あの時Aのこと好きだったよ」
「...うん」
...知ってるよ。
知ってるのに進まなかったのは私達の弱さのせい。それも、知ってる。
「...私も、キヨのこと好きだったよ」
顔は見れなかったけどそう言った。
過去のものとしてなら、言えると思ったから。
「...やっぱ、ごめん。俺嘘ついた」
「...嘘？」
キヨは、そう言っては私の前に立ってしゃがみこんだ。
久しぶりに見る真剣な瞳から、目が離せない。
「...今もAが好きだよ」
......こんなに真っ直ぐに伝えてくれる人に、まだ"嘘つき"のままでいるの？
好きだった、なんていつまで保険かけるの？
気付けば涙が溢れていた。
私も、キヨのこと、ずっと。
「私、10年間一度もキヨを忘れたことなんてないよ」
10年間一度も、好きじゃなかった日なんて、ないよ。
そう言って精一杯笑ったせいでまた涙が頬を伝っていった。
同じように笑ったキヨの笑顔が、あの頃と重なって眩しかった。
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ユシア(プロフ) - (^ω^≡^ω^)さん» rtrtさんのお話気に入っていただけたでしょうか...？これからも見てくだされば幸いです (2020年9月13日 10時) (
レス) id: fc67472b4e (このIDを非表示/違反報告)
(^ω^≡^ω^) - うわお。レトさんうわお。 (2020年9月12日 6時) (レス) id: f0a83a5353 (このIDを非表示/違反報告)
ユシア(プロフ) - あたさん» こちらこそそう言っていただけると大変嬉しいです！ありがとうございます！！ (2020年8月13日 8時) (レス) id: fc67472b4e (このIDを非表示/違反報告)
あた(プロフ) - わ〜〜〜〜…！とてもときめきました、ありがとうございます…！ (2020年8月12日 23時) (レス) id: 374aa04e67 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ユシア | 作成日時：2020年8月8日 18時
