再会したなら嘘はもう /ky ページ45
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好きと言ったことはない。
好きと言われたこともない。
でも、あの頃の私達は間違いなく両想いだった。
周りによく冷やかされてたのも原因の一つだけど、他の子と私への接し方が明らかに違うキヨの態度ももう一つの原因だった。
それでも私達は卒業までただの一度も恋仲になったことがない。
タイミングとか、勇気とか、そんなものを言い訳にして一歩も進まなかった結果だった。
そのままキヨは地元の大学に進学して、私は上京した先で短大に入っていた。
だからまあ会う訳がなくて、あれから一度も話してない。
「初恋、だったんだけどな」
嘘つき、と心の底から聞こえた気がした。
「えー！じゃあAさん彼氏いたことないんですか！？」
「そうだねえ、この歳でイコール年齢ってヤバいでしょ？」
そうじゃなくて、と興奮気味に言ったこの子は会社の後輩だった。
いつも通りお昼を食べていると今日は恋バナがしたい気分なのか私に興味津々に聞いてくる。
可愛いから正直に話してしまうとさらに食いつかれてしまった。
「Aさんめっちゃ美人何ですからいくらでも彼氏出来ますよ！...あ、もしかして好きな人でもいるんですか！？」
いつもなら「お世辞でも嬉しいよ」何て返せるんだけど後半部分が気になってしまってそんな余裕もなかった。
...好きな人、か。
この子なら意外と口が固いから誰にも言わないだろうし、そもそも私に好きな人がいるからって誰も得も損もしない。
だからか気付けば口が開いていた。
「...いたよ、好きな人」
「...そうなんですね」
掘り下げて聞かれると思っていたけど、彼女はそれからまるっと話題を変えてきた。
"いた"と強調したのに気付いたのかもしれない。
話したく無いわけではなかったけど、進んで話す気にもなれなかったから丁度よかった。
...10年も初恋を引きずってるどうしようもない先輩だなんて話をしたら笑われるのかな。
そう思って自嘲気味に笑った。
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ラッキーカラー
あずきいろ
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ユシア(プロフ) - (^ω^≡^ω^)さん» rtrtさんのお話気に入っていただけたでしょうか...？これからも見てくだされば幸いです (2020年9月13日 10時) (
レス) id: fc67472b4e (このIDを非表示/違反報告)
(^ω^≡^ω^) - うわお。レトさんうわお。 (2020年9月12日 6時) (レス) id: f0a83a5353 (このIDを非表示/違反報告)
ユシア(プロフ) - あたさん» こちらこそそう言っていただけると大変嬉しいです！ありがとうございます！！ (2020年8月13日 8時) (レス) id: fc67472b4e (このIDを非表示/違反報告)
あた(プロフ) - わ〜〜〜〜…！とてもときめきました、ありがとうございます…！ (2020年8月12日 23時) (レス) id: 374aa04e67 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ユシア | 作成日時：2020年8月8日 18時
