君と巡り会う予兆 /ky ページ33
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「好きです」
...知ってる、この声とこの言葉。
驚いて振り向くとそこには小さな子供がいた。
でもそれも一瞬のことで、瞬きをすれば背の高いさっきまで話していたお兄さんがいるだけだった。
...今のって...。
「何で...」
何でこの人とあの小学生が重なって見えるんだろう、そういう意味の言葉だった。
でも彼は"何故好きか"を聞かれてると思ったらしい。
小さな声が私に届いたことに驚くような顔をしつつも真剣な表情になって深呼吸をした。
「一目惚れ、しました」
やっぱり、やけに夢がチラつく。
...ううん、夢なんかじゃない。小さい頃の私のこと。
「あいつの名前は＿＿＿」
「...キヨ、君？」
「！俺のこと...知って...」
...ああ、この人だ。
1歩、2歩と気まずそうに後ずさる姿に多少の違和感を覚えつつも、どうしても話したくて腕を掴んだ。
こんなの、全部夢のせいだ。
講義はとっくに始まっていた。でも、それでもこの人に伝えたかった。
「...小学生の頃、塾で告白してくれたんだよ」
「...え？」
「もう覚えてないかもしれない。...私だって、忘れてたんだから」
夢を見なければ、きっと思い出さなかった。
恋かすらも分からないたった一瞬の出来事だったから。
それでも、ここまで心に残ってしまう時点で...そういうことだった。
「...A...ちゃん...？」
「...なのにキヨ君は、また同じ言葉をくれるんだね」
それだけじゃなくて、あんな昔のこと、忘れないでいてくれるんだね。
...笑えてるかな、私。
感情の分からない涙が視界を覆っていた。
「...覚えてるよ、何度も夢に見たから。...また一目惚れしちゃったわ」
その眩しい笑顔が、まぶたの裏のものとまた重なった。
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ラッキーカラー
あずきいろ
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ユシア(プロフ) - (^ω^≡^ω^)さん» rtrtさんのお話気に入っていただけたでしょうか...？これからも見てくだされば幸いです (2020年9月13日 10時) (
レス) id: fc67472b4e (このIDを非表示/違反報告)
(^ω^≡^ω^) - うわお。レトさんうわお。 (2020年9月12日 6時) (レス) id: f0a83a5353 (このIDを非表示/違反報告)
ユシア(プロフ) - あたさん» こちらこそそう言っていただけると大変嬉しいです！ありがとうございます！！ (2020年8月13日 8時) (レス) id: fc67472b4e (このIDを非表示/違反報告)
あた(プロフ) - わ〜〜〜〜…！とてもときめきました、ありがとうございます…！ (2020年8月12日 23時) (レス) id: 374aa04e67 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ユシア | 作成日時：2020年8月8日 18時
