君と巡り会う予兆 /ky ページ31
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「好きです!」
もうすぐ嫌だった塾ともお別れか、なんて考えてた時だった。
響き渡る大きな声にびっくりして振り向くと、1人の男の子がいた。
こ、公開告白なんて大胆な...。
誰に言ってるんだろう、と辺りを見回すと私の近くに...誰もいない?
少し遠巻きに見ている人達はいたけどそっちに向けて言ってる様子はなかった。
「...もしかして、私?」
「うん!」
ああ元気いい返事...じゃなくて!!
か、関わりなんて無いはず...なんで?
「何で...私?話したことないよね?」
「えっ、と...一目惚れ、したから」
恥ずかしそうに頬を染めるから私まで照れてしまう。
同じ小学生なのに私の何倍も明るい笑顔が眩しくて、思わず目を逸らした。
「へっ、返事は...また今度!」
「えっ、ちょっ、待っ...!!......行っちゃった」
慌ただしく走って行ってしまった姿を見つめながら数秒ぼーっと立ち止まる。
そんな私をようやく動かしたのは、冷やかしにきた友達だった。
「A、あいつと付き合うの?」
「わ、分かんない...そういえば、名前聞いてないや」
「えっ、名前も教えて貰ってないの!?ってか知らないの!?あいつの名前は____」
目を開けると、見慣れた自分の部屋だった。
「...何でこんな夢...」
もう何年も前のことだ。
あの後、どうしたんだっけ。
...確か、タイミングが合わなかったのか会えないまま私は塾をやめた気がする。
...はあ、考えてても仕方ないか。
そう思って忘れようとしても、あの眩しい笑顔だけがまぶたの裏にこびりついていた。
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ラッキーカラー
あずきいろ
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ユシア(プロフ) - (^ω^≡^ω^)さん» rtrtさんのお話気に入っていただけたでしょうか...?これからも見てくだされば幸いです (2020年9月13日 10時) (レス) id: fc67472b4e (このIDを非表示/違反報告)
(^ω^≡^ω^) - うわお。レトさんうわお。 (2020年9月12日 6時) (レス) id: f0a83a5353 (このIDを非表示/違反報告)
ユシア(プロフ) - あたさん» こちらこそそう言っていただけると大変嬉しいです!ありがとうございます!! (2020年8月13日 8時) (レス) id: fc67472b4e (このIDを非表示/違反報告)
あた(プロフ) - わ〜〜〜〜…!とてもときめきました、ありがとうございます…! (2020年8月12日 23時) (レス) id: 374aa04e67 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ユシア | 作成日時:2020年8月8日 18時