85回目 ページ35
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「...そんなに食えんの?」
「食べれるから買ってるの!」
呆れたように見てくるうっしーにそう言って綿菓子を食べる。
スイーツ系ばっか食べてるんだから全部別腹って言っても「それはよく分かんない」って返されてしまった。
次は何の屋台を見ようかな、そろそろ射的でも行ってみようか。
「ねえ皆、私射的行きたいんだけど...あれ?」
振り向くと、そこはただの人混みだった。
さっきまで騒がしかった筈の皆はいなくなっていて、ただ知らない人が行き交っているだけだった。
...こ、この歳で迷子とか笑えないから...!!!
どうしよう、この場に留まるのは確実に邪魔になるけどあんまり下手に動かない方がいいんじゃ...。
とりあえず人混みから少し外れて屋台の裏地に入ってスマホを触ろうとしたら急に肩を叩かれる。
「びっ...って何だ、うっしーか」
「びって何だよ...。お前、本当心配したわ...」
びっくりのびだよ、と言うと「俺の方がびっくりだわ...」と言われた。
それに妙に安心して少しボケてしまったけどうっしーは楽しそうに返してくれた。
「あいつらに連絡しとくからもう2人で回るか」
「!うん!」
思わぬ形で叶った2人きりにとびきりの笑顔になったのを感じた。
...その時、突然大きな音が響いた。
「わっ...花火始まったね」
結構近くで鳴り響いた花火に声をあげると屋台のことはいいか、と思い始めた。
今はうっしーと花火が見たい。
そんな私の気持ちを察したのかは分からないけどうっしーが言った。
「...花火綺麗に見えるとこ行く?」
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ユシア(プロフ) - まぁさん» 初めまして!真っ直ぐな感想が一番嬉しいですありがとうごさいます...!他の作品も頑張って書いておりますので楽しんで読んでいただければ幸いです。 (2020年10月31日 20時) (レス) id: fc67472b4e (このIDを非表示/違反報告)
まぁ - 初めまして!語彙力がないので上手く伝えられないのですがすごく面白かったです!あっという間に全部読んでしまいました!先の読めない展開にワクワクしましたし、情景が浮かびました!違う作品も読み漁りたいと思います! (2020年10月30日 23時) (レス) id: c99a2a8fdb (このIDを非表示/違反報告)
ユシア(プロフ) - みづさん» 読んでいただきありがとうございました!この字体とっても素敵ですよね。 みづさんのコメントのお陰でお話が頑張って書けたのでこちらこそ感謝しております。活動の主は占ツクで変わりありませんのでこれからもよろしくお願いしますね。 (2020年8月11日 21時) (レス) id: fc67472b4e (このIDを非表示/違反報告)
みづ(プロフ) - 完結お疲れ様でした!何度もコメント失礼します。まずこの字体からして好きでした。お話ももちろん面白くて、毎回楽しみにしていました!Twitterやってない……残念です……とにかく素敵な作品をありがとうございました!これからも応援してます! (2020年8月11日 21時) (レス) id: 378c3d5b14 (このIDを非表示/違反報告)
ユシア(プロフ) - みづさん» そう言っていただけると本当に嬉しいですありがとうございます!ゆっくりになりますが更新続けていきたいので最後までお付き合いください! (2020年7月4日 20時) (レス) id: fc67472b4e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ユシア | 作成日時:2020年7月3日 20時