66回目 ページ16
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つまりAは、自分のせいでうっしーを恋愛に億劫にさせてしまったことを後悔してるんだろう。
...俺から言わせてみれば、そんなの。
「それってAが自意識過剰なだけだと思うけど?」
「...なっ、そ、そんなこと...」
慰めてもらえると思ってたのか、俺の予想外の発言に大きく目を見開いてから反抗してきた。
それでも正しい言い訳ができなくて口ごもっている。
確かにうっしーはAに振られたことによってもう恋愛はいい、なんて言ってんのかもしんない。
でもそんなことでAが泣く意味なんてねえし、とりあえずその自分を許せないっていう感情は忘れて欲しかった。
Aが自分を責めんのは俺だって望んじゃいない。
「うっしーは1回だか2回だか振られたくらいで傷付く程弱くねえよ。...それで、本当は何で泣いてんの?」
「......分かんないよ」
あっそ、と俺が言うとしばらく俯いて考え始めている。
ヒントなしで正解に辿り着けるとは思わないけど、それを教えてやる程優しくもねえんだ俺は。
まだAのこと引きずってる、なんて言ってねえだけ褒めてくれよ。
「...そろそろ生徒会も終わってんじゃねえの?」
「...あっ、そうだね...。じゃあキヨ、また明日」
少しぎこちない動きで振り返って歩き始めたAの背中に話しかける。
「どーしても答えが出ないなら誰かに相談するのも手だぞ。それこそ茉白とか」
振り返らないまま返事をしたAの背中はどこか小さく見えた。
「...茉白に借り作れたかなあ」
そんなことを1人呟いた。
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ユシア(プロフ) - まぁさん» 初めまして!真っ直ぐな感想が一番嬉しいですありがとうごさいます...!他の作品も頑張って書いておりますので楽しんで読んでいただければ幸いです。 (2020年10月31日 20時) (レス) id: fc67472b4e (このIDを非表示/違反報告)
まぁ - 初めまして!語彙力がないので上手く伝えられないのですがすごく面白かったです!あっという間に全部読んでしまいました!先の読めない展開にワクワクしましたし、情景が浮かびました!違う作品も読み漁りたいと思います! (2020年10月30日 23時) (レス) id: c99a2a8fdb (このIDを非表示/違反報告)
ユシア(プロフ) - みづさん» 読んでいただきありがとうございました!この字体とっても素敵ですよね。 みづさんのコメントのお陰でお話が頑張って書けたのでこちらこそ感謝しております。活動の主は占ツクで変わりありませんのでこれからもよろしくお願いしますね。 (2020年8月11日 21時) (レス) id: fc67472b4e (このIDを非表示/違反報告)
みづ(プロフ) - 完結お疲れ様でした!何度もコメント失礼します。まずこの字体からして好きでした。お話ももちろん面白くて、毎回楽しみにしていました!Twitterやってない……残念です……とにかく素敵な作品をありがとうございました!これからも応援してます! (2020年8月11日 21時) (レス) id: 378c3d5b14 (このIDを非表示/違反報告)
ユシア(プロフ) - みづさん» そう言っていただけると本当に嬉しいですありがとうございます!ゆっくりになりますが更新続けていきたいので最後までお付き合いください! (2020年7月4日 20時) (レス) id: fc67472b4e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ユシア | 作成日時:2020年7月3日 20時