君が何回だって笑うから2【実.況.者】

５２回目 ページ2

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...クラスが一緒なのに一日に一度も話さなかったのは初めてだった。
目が合ったらびっくりして逸らしたり、なるべく茉白のそばに駆け寄っていた私が悪いんだけど。

...そう分かっていても、昨日のことを意識してしまって逃げてしまっていた。

前は、うっしーがいつも通り話しかけてくれて、その気遣いを無駄にする訳にはいかないと私も笑った。
今は...話しかけてくれないし、来てくれたとして上手く笑える自信がない。


「茉白、帰ろう」


茉白の教室まで迎えに行ってそう言うと忙しそうにしながら「先に下駄箱行ってて」と言われた。
また生徒会の仕事があるのかな、と思ったから特に掘り下げもせずに1人で下駄箱へ向かう。

茉白がしばらく来ないのは分かっていたから自販機の近くのベンチに腰掛けて、気付けば目を閉じていた。


「...A？」


誰かの声に目が覚めた。
...いくら昨日寝てないとはいえベンチで寝るって...。

辺りの風もさっきより冷たくなっていて、スマホの時計を見ると30分程寝ていたらしい。
そんなに時間経ってたのか...と思ってふと顔をあげた。
...あっ。


「...オハヨウ...ゴザイマス...」

「おー。茉白が先帰っててくれって言ってた」


寝ぼけててうっしーの存在すら忘れてた、っていっそのこと冗談で言えればよかったのに。

なんでこんなとこに、と思ったけどそれをわざわざ伝えに来てくれたらしい。
私が立ち上がって「ありがとね」と言うと何も言わずに着いてきた。


「...うっしー？」

「送ってく。どうせ方向一緒だし」

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